48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

読書「福島第一原発 1号機冷却 『失敗の本質』」

 

 友人がFacebookでこの本を投稿していたのを見て興味がわきネットで発注したつもりだったのですが、投稿したと思っていた友人にふとこの本を見せたら「私はこの本みたことない」と想定外の否定にあい、確かに投稿履歴がないことから、すっかり自分の記憶に自信を失っております。(笑)

 

どんな本?

2011年3月11日に発生した東日本大震災とその後の津波によって壊滅的被害を受けた福島第一原発。当時吉田所長が官邸の指示を無視して海水を使って1号機の冷却を行ったことが英断として伝わっていたのだが、実はこの海水注入は冷却にほとんど寄与されていなかったことが判明。1号機のメルトダウンという最悪の事態を生んでしまった。なぜこうなってしまったのか、をNHK取材班が丁寧に取材、分析してまとめたドキュメンタリーです。

 

異常事態、しかも次々とトラブルが発生するような状況は、世界的にも危機管理システムとして想定されていなかったようです。

 

福島の場合、地震がおき、津波がきて、1号機、2号機、3号機、4号機と次々と問題が発生していきます。

 

システムは何重にも安全対策をしていた。

 

スタッフは優秀な人達が揃っていた。

 

本社をトップとした対策本部が確立されていた。

 

にも関わらず原発史上最悪と言われる大惨事になってしまったその背景を語っています。

 

おさえておきたいところ

「集団で対応しなければならない」時は個人の出来不出来の話ではなく、組織としての機能が大きな影響を与えることをこの本で語っています。

 

しかもビジネス本で見られる机上の空論のような組織論ではなく、人の性質というものにぐっと食い込んだ考察、分析をしています。

 

最初は少々専門的な言葉や話が多いので、読むのがちょっとつらいかもしれません。

 

でも途中から視点が明らかに「人の性質」に向けられると一気に読むスピードがあがってきます。

 

この本が単なる事実の紹介にとどまらず「失敗の本質」というタイトルをあえて付けた著者たちの強い想いが感じられると、よりのめりこめるのではないかと思います。

 

有名な「失敗の本質」という本は、戦時中の言動を分析するところから入るので、正直読みにくかったです(^^)

 

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

 

 でもこの本はつい数年前におこった震災時の話なので、逆に話に吸い込まれていきました。

 

これから

どんなに優秀な人たちが集まっていても、失敗するものは失敗する。

 

それは個人の力というより、個人の集まりである組織の動き方に大きく依存していたことをこの本は語っています。

 

そして「体験」の大切さも合わせて紹介してくれています。

 

私は「事実と向き合うこと」「自分の五感で感じること」が諸々の事柄に対応していく姿勢の基本として心に刻みたいと思いました。

 

今までも心がけていたつもりでした。この本を読んでさらにその思いが強くなった気がします。