飲み会の最中の出来事
TOEICの試験を受験し、受験仲間で打ち上げの飲み会をしていたときのこと。
何気なくみたスマホの通知で普段連絡のない方からのメールがあることに気づく。
今年から運営を開始したシェアハウスのオーナーだ。
こっそり見てみると「相談事項」というタイトル。
内容はそこには記載されておらず電話したい、とのこと。
だいたいこの手の連絡は良い連絡でないことが多いので、一瞬「入居率もっとあげろというクレームかな」とよぎる。
文面で「おそらく5分ほどかと」と書いてあったので、何か小さい連絡事項かも、と思ったりも。
よく見ると「ラインでも送ったのですが・・・」とある。
あれ?ラインを見てみると・・・
確かに来ている。しかも前日だ。
ラインの通知がきておらず気づかなかったみたい。
こんなに連絡を取りたがるのはこれまでほとんどなく、やはりただ事ではないかと思い直す。。。
一応返信で「今話しできますが」と返したところしばらくして「お願いします」ときたので、飲み会を中座して電話。
数カ月ぶりの電話なので「最近の調子はどうですか」などと努めて明るく近況を伺ったりし、ちょっとなじんだところで「ところで何かございましたか」と振ってみる。
それまで明るく話ししていた電話先のオーナーはちょっと間をおいて「実は・・・」と言葉をつないできた。
さ、何がくるか・・・
「運営会社を変えたいんです」
ついに来たか・・・
「すなわち私との契約を解除したいということですね?」と確認をいれる。
「その通りです」とはっきりした返事が耳に入ってきた。
ただ契約では途中解除の場合6ヶ月前に通知することを規定している。
そのことを伝えると「いや、来月頭から切り替えたいんです」と。
おいおい、それじゃ契約違反じゃないか。
オーナーは「早く切り替えて満室にしたいんです」と。
「簡単にYesとはいいがたい」とこちらのスタンスを伝え、次回打ち合わせの日程を決めて電話を切った。
「5分で終わらせる話かよ・・・」
グツグツと湧き上がってくる感情をぐっと抑えて飲み会の場に戻った。
こみあげてくるもの
飲み会では最初黙っていたのですが、やはり我慢できず仲間に電話の話をしました。
仲間はありがたいことに受け止めてくれて、いろいろと言葉をかけてくれました。
帰宅途中、帰宅してから、これまでのオーナーとの関わりのこともあり、いろいろな思いがこみあがってきた。
でもここで感情的になるほど愚かなことはない。
とにかく冷静に状況を見つめるように努める。
このオーナー、例のシェアハウスで世間を騒がせた会社から購入した一人で、問題発覚後運営を任せる先が見つからず困っていたところ巡り巡って私のところにこられました。
キャッシュフローを考えると
- 大きな投資はできない
- 運営費用を出すと赤字になる
という状況だったので、立ち上げをお手伝いしてその後はご自身で自主運営して乗り切りましょう、ということで契約期間も2年と短く設定しました。
2年といえば運営側は立ち上げて収益が安定化するところです。
保険として契約解除は180日以上前に事前通知を盛り込むことを説明し、契約に入れておいたですが、まさかこの条項がきいてくるとはね。
改善点を指摘し、物件立ち上げのやり方をお話していたのですが、オープンするやほとんど返信がこなくなりました。
本当はオープンしてから集客や維持管理にやることはたくさんあって、体験したり話をきいたりすることが今後の自主運営に大事なはずだったのだが。。。
こちらは粛々と集客に集中しました。
月に3人ペースで入居者が増えてきた、そんなタイミングでした、電話がきたのは。
オーナーの理由は「もっと早く満室にしてほしかった」。
自分のベストとオーナーの期待に乖離がでてしまった以上、解決策は解除しかありません。
これは事業ですからやむをえないことです。
ただオーナーが契約を無視して「来月頭から」と言ってきたことで、「この人とは一緒に事業できない人だ」と割り切ることにしました。
入居者にも考える時間を与えたいので早くても来月末まで運営することと、違約金を条件として、オーナーからの要求を飲むことにしました。
いろいろな反省点
入居者同士がとてもいい感じでコミュニティーをとれてきたところだっただけに、正直残念な気持ちです。
今の入居者の方々にかかる迷惑を最小限にすべく動いています。
今回はオーナーの事情もあるので早い段階で自分が運営から手をひくことをある程度想定していました。
それでもこのように突然契約解除を要求されたりします。
よっぽどの理由がない限り180日以上前に通知する、という条項を保険につけていましたが、これも違約金をとる理由にはなりましたがオペレーション自体は結局中止せざるをえなかったのです。
自分は事業をしていますが、運営というオペレーションを通じて利用者の皆さんに何かプラスアルファを提供できることを目指しています。
だから何もしないで収益を得る、のではなく、サービスを提供することで収益を得る事業モデルを目指しています。
生きていくための収益は必要ですが、提供したサービスでお客さんが喜んでくれることが一番の利益なんです。
事業行動指針は「収益を上げることではなく、サービスの質をあげること」にあります。
収益は後からそれなりについてきます。
ミリオネアになりたいのではなく、喜ばれる人でありたい。
だからオーナーとの間では、オペレーションを継続できるような契約内容でなければならないな、と改めて思いました。
あるいは自分がオーナーになることもオプションの一つ。
ただこれは「所有し続けることに対する障害」がリスクで、そのリスクを自分が負えるのかどうか、冷静に判断する必要があります。
「所有し続けることに対する障害というリスク」とは
- 収益があがらず借入金を返済できないリスク
- 天災、事故、事件によって所有資産が使えなくなるリスク
です。
1は自助努力的なところがありますが、物件に依存する面もありますので自分がコントロールできないところがあります。
2についてはまったく自分のコントロール外ですね。
そうなんです、自分がコントロールできないところが大きなリスクでもあります。
こういった面は「リスクが大きい」と言えます。
だから「リターンが大きく」なるのです。
リターンが大きくなれば、資産(現金も含みます)が増えますので運転資金が確保できます。
するといろいろ試して失敗できる余裕、長く待つ余裕が持てます。
眼の前の収益に惑わされず事業をすることが可能です。
だからリスクをとりリターンを得て次のことに挑戦する、ために自分がオーナーになるという選択肢も真剣に考える必要があると感じました。
今やらなければならないこと、やりたいことがたくさん出てきてます。
事業は「やること」で発展、成長していくんだということを実感です。
今回のことをまた自分の肥やしにして次なる歩みを進めていきます。