MBAシェアハウスにお客様をお招きしプチ講演をさせていただきました。
講演、というほど大げさなものではないのですが6月にビジネススクールの研究会で発表して以来のプレゼン。
ホント、パワーポイントを使う頻度が減ったなぁ、なんて思いながら資料を用意していました(^^)
機会を作ってくれたのは、暮らしのグリーフサポートみなと(以降「グリーフサポート」とします)の皆さん。
今回はこのグリースサポートの皆さんにシェアハウスのお話をさせていただきました。
「悲しみ(グリーフ)」とともに生きる、をテーマに活動をしているNPOです。
私の友人がグリーフサポートの代表の方Mさんと共通の知人ということでご紹介いただき、コミュニケーションについて意見交換をさせていただいことがあります。
Mさんは12年前にお子さんを自死という形で失うという悲しい(グリーフな)体験をされています。
このグリーフは消えない。でもあってもいいと思うようになった。そうおっしゃっています。
グリーフを持っている人たちが安心して寄り添うことができる場を作りたい、そんな想いでNPOを立ち上げたそうです。
Mさんの活動にとって大切なのは「コミュニケーション」。
一緒に話をしている中で「コミュニケーションを“外”で作ろうとしていたけど、“生活の中”で作ろうとしているところにとても関心を持った」と言っていただきました。
確かにNPOとしての活動は、“家の外”が多いと思われます。
集会場、カフェ、会議室など様々な場所でどうやって集まった人たちが寄り添い合えるコミュニケーションを育むか、日夜腐心していらっしゃることは容易に想定できます。
確かに言われてみれば“家の外”ですね(^^)
私はシェアハウスを運営しているので、コミュニケーションの主体は“家の中”にあります。
プレイベート空間でありながら、他人がいるパブリック性も持っている不思議な空間です。
ストレスフルな外の世界から開放される家の中で寄り添い合える環境を持てることがシェアハウスの魅力の一つです。
家族のようで家族よりは距離感を持った関係。
しかも人それぞれで価値観、ほどよい距離感は異なります。
だから寄り添い方はそれぞれ。
寄り添い方に腐心するのは“外”でも“家の中”でも同じですが、環境や距離感の感覚は異なりますから同じような対応が効くとは限りません。
Mさんが私の話に熱心に耳を傾けていただいたのは、普段から寄り添い方を考えていらっしゃるからこそではないかと思ってます(^^)
プレゼンの中身はざっくり40分くらい。
でも質疑応答をたくさんしていただき、予定していた1時間半をびっちり使いました(^^)
時間の半分以上が質疑応答だったんですね。関心をもっていただきありがたいことです。
たくさんいただいた質問の中に気づきもいろいろとありました。
私の事業モデルではスケーリングが難しいこと、労働集約的な要素もあり不労所得とは相反すること、などなど鋭いご指摘も(^^)
嬉しかったのは、シェアハウスという場のポテンシャルを感じていただいたこと。
シェアハウスといってもピンきりあって(笑)イケてるところもあれば、全然イケてないところもたくさん。
だから「シェアハウスはいいか悪いか」なんて議論は全く無意味で、どんな活用ができるか、どんな活用をすると人生を豊かにできるか、を考えるほうが建設的。
だから使いようによってとても魅力ある場になりうる、ということが大切なんですね。
何もしなければ何でもない“箱”。そこに命を入れることでとても素敵な“場”に変身する。それがシェアハウスの魅力というのが私の見方。
この命を吹き込むことが“価値”ある活動だと思っています。
私が「運営」という仕事に誇りを持てるのはここにあります。
命を吹き込み育まれるとそれは「居心地の良さ」という空気をもたらしてくれます。
やっかいなのは「居心地の良さ」は一度作っておしまい、ではないこと(^^)
良さを維持していくための活動が不可欠です。
だから何かしら関わり続ける必要があります。こういう点では労働集約型の仕事かもしれません(^^)
とはいえ時給換算にもできないので、労働集約型とは言い切れない(^^)
懇親会でもたくさんお話させていただきました。
最後は「人を致死させる薬はなんだろう」なんてとんでもない方向に脱線しましたが(笑)
私が今回いただいた気づきで一番大きかったのは、「誇り持てる仕事に携われているんだなぁ」という手応えだったかもしれません(^^)
グリーフサポートの皆さん、ありがとうございました(^^)