48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

読書会〜熔ける

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今回の読書会の課題図書は井川意高氏の自伝「熔ける」です。

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 (幻冬舎文庫)

 

井川氏は創業一族の三代目として大王製紙の社長及び会長になり、特別背任罪で逮捕された人物です。

 

どんな背任か?

 

子会社から総額106億円もの金を借りてマカオシンガポールバカラ賭博に使ってしまい、会社に損害を与えた罪です。

 

なんともでかい金額で、理由も理由なだけに逮捕された時はかなり大々的に報道されました。

 

上場企業のトップがバカラ賭博にハマって会社の金を使い込むに至った背景はなんだろう、という興味を持って読みました。

 

(ご本人は借りたお金は全て返済したので「使い込み」でない、と主張はしています)

 

結論からすると「簡単にはわからない」です。

 

すなわち、本人が明確な理由を自覚してそれを書いているわけではないのです。

 

幼少の頃からの自分をさらけ出すことで、自分を見てもらい、なぜこうなってしまったのかを読者に考えてもらう、という意図を感じます。

 

というか、自分のこれまでの人生をネタにして本にした、が直接的ではあります(^^)

 

 

 

読書会では「読んでいくうちに気分が悪くなった」とか「こういう人は受け付けない」みたいな意見を持った人が少なくありませんでした。

 

私自身は同じバブル世代ということもあって「あーこんな時代だったなぁ^_^」なんて懐かしがりながら一気に読了してしまったので、不快感は全く感じなかったんです。

 

この人をめぐる疑問の一番手は「ギャンブル依存症として片付けていいのか」です。

 

依存症という病気でした、となると我々はそこから何かを学ぼうとするとなかなか難しい。

 

でも「誰にでも起こりうること」として捉えるとこの人の経験から何かを学び取れる可能性があるわけです。

 

私は昔競馬の1レースに20万円つぎ込んだことが一度だけあり、たまたま買ったから良かったものの、レース中はドキドキしすぎて、もう二度といいや、と思っちゃいました(笑)

 

よくも悪しくも博才がない自覚があるのでそれが自分にとっての歯止めになっています。

 

著者には色々な可能性を感じられる力があるんではないか、と推測しています。

 

だからバカラでも「勝てるかもしれない」という可能性を感じてしまい、その推定確率が低ければ低いほどギリギリ感が刺激になってしまうのではないか、と。

 

読書会でも「この人ブレーキ持てなかったんだね」という意見がありました。

 

著書の中では「私は御曹司としてなんでも与えられてたわけではない」と述べられていましたが、大学生でBMW635を乗り回してた人なので、「与えられる」の定義がだいぶ違うんだなぁ、と感じました(笑)

 

著者にとっての唯一のブレーキは父親だったように感じます。

 

だから父親さえ乗り切ればそこは自由、乱暴な言い方をするとそんな精神状態だったのではないか。

 

それが結果的に自分でブレーキを作れなかった一因ではないかな、と推測しました。

 

数十年の人生をたった1冊の本で表せられるものでもないので、答えを出すことはできません。

 

ただこの本から何かを感じられれば、それは読んだ意味があるんですよね(^^)

 

 

 

この人は大王製紙でオムツ事業を取り込んで軌道に乗せるという功績があるだけに、色々活躍できる力を持っていらっしゃると思います。

 

今度はバカラ関係者に貢献するのではなく、夢を追いかける人を支援してくれるような方向で力を発揮してくれればなぁ、というのが個人的な感想です(^^)

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 (幻冬舎文庫)