48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

台風19号にみる防災

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伊豆半島に上陸してから関東を縦断した超大型の台風19号(ハギビス)が去った翌日の光景です。

 

私の実家マンションから撮影したものです。

 

台風一過の文字通り雲のない青空。

 

そして左手に見えるのはだいぶ水位が下がった多摩川になります。

 

台風の日は実家で過ごしていたので翌日多摩川にでて様子をみてみました。

 

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土手からの撮影ですが、手前に見える倒木と枯れ草が積み上がっているのは、昨晩ここまで水位があがっていたことを物語っています。

 

その向こうで水たまりになっているところは普段遊歩道で、その向こうにはグラウンドが広がっていました。

 

ご覧のようにまだ水面の下です。

 

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上流を向いたショットです。

 

水たまりがあるところは遊歩道だったところです。

 

小さな建物が見えますが昨晩はこれは完全に水没していました。

 

昨晩マンションからみたら右に見える木くらいしから水面の上にはみえなかったんです。

 

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先程の小屋の向こうに公園があったのですが、その公園にあった杭です。

 

これすなわち泥に埋まってしまったんですね。

 

かなりの泥が流れ込んだことがわかります。

 

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ぶらんこもこの状態。

 

鎖は管理者がおそらく事前にまきつけたのではと思われますが、大量の草がからんでいて勢いの凄さを感じます。

 

 

 

まず、今回の台風で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

 

亡くなられた方、水害に合われた方がいらっしゃる中で恐縮なのですが、防災について今回感じたことを綴ってみようと思います。

 

規模

気象庁の発表では「昭和33年の狩野川台風に匹敵する」規模という予報が早くから発せられていました。

 

1958年(昭和33年)9月27日、神奈川県に上陸した台風22号です。

 

死者・行方不明1,269名、住家床上・床下浸水521,715戸、最低気圧は877hPaと当時の世界記録だったようで、日本列島にかかっていた秋雨前線を刺激し、東京で371.9mm、横浜で287.2mmの降水量を記録した雨台風でした。

 

甚大な水害を出した台風として記録を残していたようです。

 

これをきっかけに途中まで進んでいた狩野川放水路はもっと大きな規模に仕様変更されて工事が進められたそうです。

 

今回のハギビスは13日朝6時時点で死者3名・行方不明13名(総務省発表)で狩野川台風より圧倒的に少ないですが、48時間の雨量は、

狩野川台風を圧倒的に上回る雨量を記録しました。

(出典:NHK NEWS WEBより

 

これは年間雨量の3〜4割に匹敵する量で、たった2日間で降ったわけです。

 

防災

比較対象としてあげられた狩野川台風に比べ圧倒的な雨量だったにも関わらず、現時点で発表されている死者・行方不明者は残念ながらいらっしゃるものの、数という観点では圧倒的に少ないです。

 

命という観点での被害が少なくすんだことにはいろいろな面が貢献しています。

 

情報網の発達

一つは事前から情報が発信されていろいろな面で備えができていたこと。

 

これは情報に対する信頼が大きいと思います。

 

いろいろ天気予報について文句言う人は多いですが(^^)それでもある程度の信用を寄せているからこそ、備えの行動をとったと見ることもできます。

 

気象衛星の技術の進歩、気象庁関係者の地道な研究や活動の積み重ねの結果ではないかと感じます。

 

これは昭和33年に比べて大きなアドバンテージのような気がします。

 

次に情報発信・受信インフラがひろがって状況が刻一刻と被災地区に伝わり、避難勧告も伝達しやすくなったこと。

 

インターネット、携帯通信などのインフラは大きな要素ですが、ここ数年の水害や土砂災害などの実態をみて、避難勧告に対して皆さんの感度があがってきたことも大きいと思います。

 

私の友人もこの避難勧告をうけて避難し、安全に翌日帰宅したと言っていました。

 

治水インフラ

それからなんといっても治水事業の貢献も大きいですね。

 

荒川水系滝沢ダム浦山ダム、有間ダム、合角ダム、荒川第一調節池が1968年以降建設されました。

 

多摩川は1990年からスーパー堤防整備事業が進められています。

 

今回多摩川は狛江水害以来45年ぶりに氾濫しましたが、冒頭の写真のように尋常じゃない水量であったことを踏まえると、よくそこだけでとどまったな、という印象があります。

 

実家の近くでは河口にむけてつい最近まで土手を強化する工事が進められていました。

 

堤防が崩れなかったのはこの工事の効果ではないかと思っています。

 

利根川水系は1957年から1990年にかけて7つのダムと1つの遊水地が建設されました。

 

渇水対策と洪水対策です。

 

今回川俣ダムが緊急放流をしましたが、それ以外のダムはなんとか大量の水を受けきって利根川への水量調節に大きく貢献しました。

 

また緊急放流の可能性がいち早く報道された相模川も山中湖を源流として本流だけでも3つ、支流を含めると8個もダムがあります。

 

これらも今回の大量を雨水の一時的な貯水として貢献したと思われます。

 

今回大きな氾濫となった千曲川では古より、為政者は治水との戦いの歴史を刻んでいたことがWikipediaなどで伺うことができます。

 

これまでのダム建設などで治水を行ってきているのですが、水害を防ぐにはいたっていないようです。

 

ダム建設については1990年代から公共事業に対して批判的な機運がたかまり、長野県は2004年に当時の田中康夫知事で「脱ダム宣言」をして、いくつかのダム建設計画が中止となりました。

 

これは他にも利根川水系などでも見られた動きで、1990年代にはいってとたんにダム建設は下火になります。

 

ここ数年1回あたりの雨量が大きくなってきた気がします。(統計の資料では実はそうなっていない・・・)

 

そして未だに大きな水害が発生し、大きな被害につながっています。

 

水害を防ぐって、古からの大きなテーマだと思うんですよね。。。

 

計画運休

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NHK WEB NEWSより引用)

 

交通機関が早くから計画運休を発表していました。

 

この計画運休、昨年から始まりましたね。

 

これは被害を最小限に食い留めることに大きく貢献していると感じます。

 

まず多くの人がでかけることなく、自宅や避難先に待機するようになること。

 

これによって突発的な事故が起こるリスクがぐっと減ります。

 

しかも今回はたまたま週末だったこともあり、業務のための出勤をしなくていい状況にある人が多かったことも幸いしたかもしれません。

 

従業員の足の確保ができないし、物資の調達もできないのでかなりの物販店は営業中止。

 

これでいいと思います。

 

大きな災害がくることが予想されるときは、とにかく引きこもる!(^^)

 

人々にそう思わせる決定打がこの計画運休です。

 

昨年これを決断した人、ほんとすごいと思う。

 

多くの人達の命と生活を守っていると思います。

 

 

災害と向き合うこと

東日本大震災で被災したときに、顧客企業から「次に災害がおこっても事業を止めないための施策を提示するように」と要求されました。

 

Business Continuity Plan、すなわちBCPです。

 

BCPは大きく2つあって「被害を最小限に食い留める施策」と「保険としての施策」という両面での施策が必要です。

 

当時は事業所内で被害を最小限に留めるための工事をしたり、インフラ変更したりした一方、他の事業所での生産体制を整えるといった保険策も考えました。

 

この考え方って、自然災害の多い日本で暮らすときにとても有効ではないかと思います。

 

台風がくる前日、多くのスーパーやコンビニで多くの食品が売り切れてしまったそうです。

 

台風の場合1日〜3日分の備蓄があれば、落ち着いた後になんとか行動できます。

 

それくらいであれば、普段から備蓄しておくことは可能ですね。

 

私もおそらく数日分くらいの食料と水は確保しています。

 

これで出かけなくてもなんとかなります。

 

 

それから電気・水・ガスといったインフラが途絶えた場合の“保険”。

 

今は通信網の確保がとても重要なので、災害用ラジオと大容量バッテリーを持っています。

 

私が持っている災害用ラジオはこれ。

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ソニーホームページより引用)
 

ソニー SONY ポータブルラジオ ICF-B09 : FM/AM/ワイドFM対応 手回し充電対応 オレンジ ICF-B09 D

 

手巻きでライトもつけられるし、スマホの充電もできます。 

 

山登り用リュックにはナイフやヘッドライト、着替え、ライト、レインウエア、シェラフ、ティッシュ、水、食料が入っています。

 

それに停電になるとキャッシュレス決済ができないので、電子マネースマホ決済ができません。

 

そのため現金も10万円単位でいつも持ち歩くようにしています。

 

後日やっぱりキャンプ用品買おう、と思いました(笑)

 

 

 

 

個人としてはこのように「被災しても生き残れるための準備をしておくこと」と「被災しないための行動をとること」がとても大切だと思います。

 

一方、これだけ自然災害の多い日本なので、上手に災害と向き合っていくためのインフラ作りって、私は国策になりうると思っています。

 

先のダムの話ばかりではないです。

 

電気は昨年の北海道や今年の千葉でのブラックアウトがいい例です。

 

いざというときに電気の代替供給ができるインフラ作りは、とても重要です。

 

通信も同様。

 

停電になっても通信は機能するといった、停電に強いインフラシステムは大きな魅力です。

 

災害時のボランティア含めて復旧体制。

 

今年の千葉の台風災害では、電気の復旧が叶わず地元以外のボランティアの受入がなかなか進まなかったようです。

 

空き巣などの犯罪も増えるわけで、防災も含めて復旧活動を迅速に立ち上げるためのシステムもそろそろ整ってもいいのでは、と思います。

 

目的が目的なだけに民間営利団体ではなく、行政がしっかりとバックアップする団体が中心になることが望ましいというのが私の私見です。

 

 

 

 

日本はいろいろな顔があります(^^)

 

  • 技術立国(もう昔の話かもしれません)
  • 高齢・少子化社会対応のモデル国
  • 観光立国(を目指そうという意味で)
  • 漫画・アニメの聖地
  • 和食の国
  • 長い歴史がありその伝統を今に受け継いでいる国
  • おもてなしの国

 

その中に「自然災害と向き合う国」という顔があってもいいかな、と思いました。

 

そこには自然と命に対する尊厳があってほしいなぁ。。。