48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

巨大地下迷宮

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NHKスペシャル東京リボーン第2集より)

 

2019年2月10日にNHKスペシャルで放映された「東京リボーン」シリーズの第2集で扱われたテーマがこの「巨大地下迷宮」でした。

 

東京には多くの地下インフラが存在しています。

 

地下鉄、地下道、地下モールなどは我々がよく利用する空間ですね。

 

それに加え、通信網、上下水道といったインフラにも利用されています。

 

そんな東京の地下でどんなことが進んでいるのかを紹介した番組です。

 

 

 

東京の地下には13の地下鉄路線が走っていて、電気・ガス・水道・通信といったインフラの地下通路も含めつなぎ合わせると、なんと地球3周分にもなるそうです。

 

地球1周4万kmですから、なんと12万kmにもなるんですね!

 

なので地下の世界としては東京が世界一の集積度らしいです。

 

 

 

私は地下インフラはてっきり行政の管轄にあると思っていたのですが、実は実質無政府状態でこれまで好き勝手に開発が進んでいたらしい。

 

たとえば東京駅の地下では、東京メトロJR東日本、東京都と地下の所有者が異なるため、地下通路の繋がり方が複雑になり、迷宮化してきています。

 

それらの境では床や天井、照明などの仕様ががらっと変わるようですね。

 

今まで気づかなかったので今度注意してみてみようと思います(^^)

 

また最近できたばかりの二重橋ビルではそこにつながる地下通路の建設工事費用はビルオーナーがほとんど出すそうです。

 

最終的な許可は東京都が行うのですが、計画の立案や施工は実質民間がその思惑に沿って開発を進めています。

 

 

 

地下鉄日比谷線の神谷町と霞が関の間で新しい駅が新設されようとしています。

 

虎ノ門ヒルズ駅」

 

文字通り虎ノ門ヒルズに直結する駅なのですが、なんとこの駅は虎ノ門ヒルズの所有者である森ビルが費用のほとんどを負担するとか!

 

ただ災害時に5千人を収容できるシェルターとしての役割をもっていたり、バスターミナルを空港と直結することで丸の内に匹敵する新しいオフィス街の開発も目論んでいるようで、事業としての要素は強いながらも、公共性という姿もあります。

 

 

 

地下を開発するときに欠かせないのが「シールド」という切削機。

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これは直径16mもある最大規模のシールドと紹介されていました。

 

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あのシールドがこの図のように自律走行でどんどん穴を掘っていき、掘ったところに壁を取り付けていくという工事が今は一般的らしいですね。

 

番組でも紹介されていましたが、銀座線を初めて敷設する工事をしたときは、人間がスコップで掘っていたそうで、浅草ー上野の2.2kmで2年もかかったとか。

 

東京の地下は泥と砂が何層にも重なってできているため、水分を多く含んでおり、切削するのはかなり大変なんですね。

 

人海戦術でやっていたときはこの水との戦いといっても過言ではなかったようです。

 

 

 

 

他にも高速道路の外環自動車道の現在の終点である大泉JCTでは、そこから地下に入っていくために巨大なシールドが2台稼働していました。

 

渋谷駅でも再開発が進められていますが、渋谷東口地下では災害時に1万人収容できるスペースができるとか。

 

同じ渋谷で更に深い地下では大雨が降ったときの一時的な貯水池も作られてますね。

 

 

 

この番組をみて、地下ってもちろん便利で経済・効率の観点での開発も必要だけど、災害対応としてとても有力なインフラなんだなと感じました。

 

まず地震は地上に比べて揺れが小さいこと。

 

東日本大震災でも地上では大変だったけど地下での揺れはさほどでもなかったし、阪神淡路大震災のときもそうでした。

 

それと雨風を凌げ、気温にさらされることから守ってくれるシェルター的な役割ももっていて、天候の変化に強いですね。

 

数年前に札幌に行ったのですが、地下街がぐっと広がっていてメインのビルディングと連結されており、冬にはすごくいいな、という印象を持ちました。

 

ここは最初民間主導を試みたようですが進まなかったこともあり、札幌市が計画を作成・主導したようですね。

 

 

 

民間か行政かはともかくも、地下の活用はとても大きな効果が期待できる気がします。

 

  • 天候に左右されない行動が可能(台風、雪、竜巻)
  • 地下道においては歩車分離が進み事故の低減、交通渋滞の緩和が期待
  • 電気・通信などのインフラが地下にもぐることで自然災害に強くなる(インフラの停止を防げる)
  • 災害時のシェルターとして機能する(地震・火災・風雨・水害・火山・核戦争)

 

地上では都市計画法があって様々な利用規制があります。

 

規制はとかく批判を受けやすいですが、インフラについては私はむしろ統率されたガイドラインが必要と思っています。

 

なので利用価値の高い地下についても地上同様利用ガイドラインが必要なのでは、と思うのです。

 

  • 公共交通のライン
  • インフラのライン
  • 動線のライン
  • 商業のスペース
  • 居住のスペース
  • 一時的貯水池

 

人間が地下に移って、地上は動植物の世界に、な〜んて突拍子もないこともありえなくはない(^^)

 

地球温暖化対策として地上の植物の面積を増やすことは歓迎だろうし、地下にいれば地上ほど冷暖房が必要でないだろうから都市熱も軽減できるのではないだろうか。。。

 

 

 

 

しかし一方で懸念も。

 

まずコストがかかりすぎる・・・

 

品川からリニアモーターカーの線路敷設工事が行われていますが、地下工事にかかる費用は9兆円。

 

それにさきほど紹介したシールドは、穴を掘った後放置されるそうです。

 

それは引き上げるにも多額のお金がかかることと、シールドはトンネルごとにカスタマイズされているので、仮に引き上げても別の場所で使うことができないことが多いことが理由だそうです。

 

今東京の地下にはさきほどの16m級も含めて1,000個くらいのシールドが眠っているとか・・・

 

地下生活が長いと太陽を浴びなくなるので健康への影響も。。。

 

それから天井や壁など、人工物ですからいずれ劣化することが予想されます。そのメンテナンスがおろそかになると、天井崩落といった大事故になりかねません。

 

他にも空気の確保が必要となりますので、空調システムのインフラが別途必要となります。

 

空気といえば、津波や洪水といった水害の際、地下への侵入を防ぐてだてがないと、地下はむしろ被害が大きくなる恐れがあります。

 

東日本大震災で事業所が津波にあったのですが、地下に保管していたものは全滅でした。

 

地下システムにとっての天敵は「水」です。

 

なので空気及び動線の確保に加えて、水の侵入を防ぐシステムが必要になります。

 

 

 

 

乱暴ですが一言で言えば「簡単でない」(笑)ということですね。

 

昔から地下室にちょっと憧れみたいなものがありました(^^)

 

隠れ家みたいですし、台風がこようが火山が爆発しようが核戦争が起きたって平気、みたいな気持ちもあり(^^)

 

 

 

 

地下がもつポテンシャルを改めて感じさせられた番組でした。

 

次は海の中を扱うらしいのですが、まだ放送日が決まっていないみたいです。

 

次の放送が楽しみ(^^)