相談役のTくんと毎週いろいろなテーマで話をしていますが、その1つに「アーティストやアスリートのような”一芸”を極めようとしている人が、余計な苦労を強いられている」というテーマがあります。
例えば先日の冬季オリンピックで、「そだね〜」で一躍全国区になったカーリング女子。5人目の選手として登録されていた市橋選手は、選手でありながら実質裏方として4人の選手が最大にパフォーマンスを発揮できるよう支えていたと言われています。
今やネットでこの話題は知らない人はいないでしょう。
特に大変だったのはスポンサー探し。選手の活動を支える資金調達だったそうです。オリンピックでのインタビューでも「・・・資金を調達するということはとても大事なことで・・・」と市橋選手本人が触れています。
カーリングは投げる技術、スイープする技術、全体の流れを読む洞察力、長い時間でもパフォーマンスレベルを維持する集中力、といろいろな能力が問われます。本橋選手は他の4人に引けを取らないレベルにまだあったそうです。
でも選手として、というよりは「チームの一員」として必要な役割として自分がサポートを担うことを選択しました。
チームの経緯についてはこちらにも紹介されています。
”一芸”を極めるためには、より多くの時間と労力を芸を磨くことに注ぐ必要があります。経済感覚はもとより、社会性をも犠牲にしている可能性もあります。
そんな人達がスポンサー集めをするのはとても難儀なことだと想像します。
苦手なスーツを着て、苦手なプレゼンを強いられ、苦手なお付き合いを強要される、そんなイメージが払拭できないのです。
だからTくんとよく話すのは「パトロンがいたらなぁ」って。
パトロンになれる人も金額も実は十分あるんじゃないかな。ビリオネアなんて言葉が出るくらいですから、数千億円の資産を持っている人、たくさんいますよね。
死ぬまでにいくら使う気なんだろう。何世代の子孫まで残そうと思っているのだろう。それらの資産は「投資」という名の下に人々の懐を通り過ぎて、大きくなって元の主に帰ってくる。
そしてごく一部のところにたまっていく。
日本の資産家さんたちがぽいっと出せば1兆円くらい平気で集まると思います。それでスポーツや芸術や科学といった”一芸に秀でる人”すなわち”プロフェッショナル”を育む土壌を作って欲しいなぁ。
オリンピックで感動や元気もらった人たくさんいるはず。
芸術に影響を受けた人たくさんいるはず。
科学に教えてもらうことたくさんあるはず。
消費税のタイミングが、教育方針が、社会保障が、実態とは違ったところで政治の道具とされかねません。スポーツ、芸術、科学も同様です。。。
投資って「お金がお金を産む」世界ですが、パトロンは「お金が感動とか元気とか共感だとか生きるエネルギーという違った形の価値を産む」行為だと思っています。
投資家じゃなくパトロンがもっと出てきて、生きることを内面から支えてほしいなぁと思うわけです。