48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

読書会〜「新生産性立国論」

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デービッド・アトキンソン 新・生産性立国論

デービッド・アトキンソン 新・生産性立国論

 

 今回の課題図書はこちら。

 

どんな本?

英国生まれで、オックスフォードで「日本学」を専攻。元ゴールドマン・サックスの金融調査室長で日本の経済を34年も研究している著者。そして今は裏千家茶名をもち、国宝・重要文化財の補修を手がける小西美術工藝社のCEOでもあります。

 

この経歴だけきくと、実に日本フリークな英国人という印象をもちますが、この本は実に厳しい内容です(^^)

 

ここ20〜30年間の日本の「経営者」を“無能”とばっさり。

 

返す刀で現状に早く目を向けて抜本的対応をするよう「政府」にもきつい注文。

 

「いや〜そこまで言わなくても」というくらいにキツイ表現が並べられています。

 

しかし著者がそれだけきつい表現をしているには理由があります。

 

日本において「人口減少」は大変大きな問題で国家存亡の危機である、と警鈴を鳴らしています。

 

650年ほど前に欧州で発生したペストにより人口減となったそうなのですが、そのときに欧州各国がとった行動を参考にしています。

 

ここをおさえる

題名にあるように「生産性」が最も大切なキーワードです。

 

生産性は「Output」を「Input」で割ったもの、すなわち「投じた資本に対して得られる成果の大きさ」を表しています。

 

著者によると「生産性」は

・1人あたりのGDP

と定義されるとしています。

 

GDPは「一定期間に国内で生産された付加価値」です。すなわち「働く人」という資本を投じて得られる付加価値の大きさ、ですね。

 

この「付加価値」も大切なキーワードの一つです。

 

これからの人口減の社会において日本は「付加価値を高める活動」すなわち「生産性を高める」ことに舵を切る必要があることを強く訴えているのです。

 

著者も言っているのですが、「付加価値を上げること」と「利益をあげること」は全然違うことです。この違いをしっかりおさえることが、この著者の主張を理解する上で大切なことです。

 

それと強い印象を与えられたのが「最低賃金」と「価格」の話です。

 

これは「豊かな人生」と深い関係があるキーワードのような気がします。

 

振り返り

自分は平成2年に新卒で社会人生活をスタートさせたので、自分の社会人生活はほぼほぼ「失われた25年」と言われている平成の時代でした。

 

本著でいうところの“生産性”を上げるためには、“付加価値を上げる”ことが必要で、その“付加価値を上げる”ためには、“適切な売価”と“継続的なコストダウン”が必要です。

 

ここで注意が必要なのは“コストダウン”。

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公益社団法人日本生産性本部 「生産性とは」より引用)

https://www.jpc-net.jp/movement/productivity.html

 

ここに売上の構造を表す図があります。

 

“付加価値”を上げるために“利益(経常利益)”を上げるのですが、その“利益”を上げるために、“付加価値”に含まれている“人件費”を下げることが当たり前のようにされています。

 

“外部から購入した部品”を下げるにしても、供給側にとって売価が下がるわけですから、供給側が“人件費”を下げて売価をさげたのなら同じことです。

 

正社員から非正規社員へ、国内から海外へ。人件費の安いところへ流れることでコストダウンができたつもりになっていなかったか。。。

 

コストダウンの本来の目的である“付加価値”を上げることに舵取りできていなかったのではないか。。。

 

この図を見ると当時の自分の姿勢を問い直したくなります。

 

これから

結局の所生産性を追求すると、生産性の小さい中小企業は淘汰されるべき、という論調なのには、超零細企業を運営している自分としては受け入れがたい部分もあります。

 

でも自分がこれから生きていくということ、社会の中で貢献できる存在でありたいということを具現化していくためには、この本で書かれている

・生産性

・付加価値

・価格

最低賃金

を意識した運営をしてみようと思います。

 

そしてまだ拭いきれない違和感と対峙して自分なりの姿勢をまた築いてみようと思います。

デービッド・アトキンソン 新・生産性立国論