48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

報道

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梅雨明けして続いた猛暑によって熱を持った大地を冷やすように雨が降っています。

 

関西では台風7号から温帯低気圧に変わった雨雲による大雨の被害が出始めているようです。

 

昨日のHangoverから心改めて朝から作業をいろいろやっているところに、Yahoo速報がスマホに。

 

   オウム真理教麻原死刑囚の刑執行

 

23年前の地下鉄サリン事件という毒物を使ったテロ事件を始め、数々の犯罪の首謀者として死刑が確定していた麻原死刑囚。

 

他にも死刑が確定している13人のうち麻原死刑囚含め7人の刑が執行されたそうです。

 

一連のオウム真理教が関与した事件とその経緯については、多くの問題や課題があります。

 

宗教、死刑制度、テロ対策などなど・・・

 

私は地下鉄サリン事件の前年に発生した松本サリン事件が、報道に対する見方を変えるきっかけとして個人的に深く印象に残っております。

 

==松本サリン事件==

 

1994年(平成6年)6月27日に日本の長野県松本市で発生したテロ事件。警察庁における事件の正式名称は松本市内における毒物使用多数殺人事件。オウム真理教教徒らにより、神経ガスサリンが散布されたもので、被害者は死者8人に及んだ。戦争状態にない国において、サリンのような化学兵器クラスの毒物が一般市民に対して無差別に使用された世界初の事例であり、同じくオウム真理教による地下鉄サリン事件を除けばその後も類が無い。

 

Wikipediaより引用)

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発生した当時、被害を受けたお宅の世帯主で第一通報者であった河野氏宅に家宅捜索が入り、重要参考人として取り調べをうけていたことから、マスコミが被害者であるはずの河野氏を犯人扱いする報道が加熱しました。

 

これは河野氏の自宅に複数の農薬があり、これらが合成されて毒物が生成されたのでは、という推測が元になっていたのです。

 

後の調査で、散布された毒物はサリンであること、押収された農薬ではサリンは生成できないことがわかります。

 

それでも、一部の農薬を隠しているのではと警察が執拗に取り調べをしていたこともあり、マスコミは河野氏が犯人であるかのような報道を流し続けていました。

 

私は会社に入って5年目。結婚して秋には子供が生まれようとしていた頃です。

 

いっぱしの社会人のつもりでいたのですが、この報道を当時は鵜呑みにして受け止めていました。

 

報道を全面的に信用して疑うということを知らなかったのです。

 

しかし翌年の地下鉄サリン事件で状況は変わります。

 

かねてからサリンオウム真理教との関連性を指摘する怪文書が出回っていたこともあり、捜査はオウム真理教へ向かったのです。

 

その捜査の過程で河野氏は無実であることが明らかになりました。

 

突然の毒ガス散布。奥様が倒れて意識がもどらない。警察が来るがなぜか容疑者扱いの取り調べを受ける。

 

こんなひどいことってあるでしょうか。

 

当時の河野氏の気持ちに思いをはせると、報道を真に受けて犯人ではないかと思いこんでいた自分がとても恥ずかくなりました。

 

そして報道が正しいとは限らないということに気づいた時、少なからずのショックを感じたのです。

 

信用していたものに裏切られる、そんな心境でしょうか。

 

それから約10年、場所は変わってイラク侵攻が起こります。イラク大量破壊兵器を所有しているという理由でアメリカを中心とした連合軍がイラクに侵攻し、当時のイラク指導者だったフセインを拘束します。

 

これは後の査察で大量破壊兵器がなかったことが明らかになります。

 

アメリカ政府が事実と異なる理由で戦争をした。この事実に再びショックをうけることになります。

 

そしてマスコミもこぞって「フセイン憎し」で一致団結します。

 

松本サリン事件で受けたショックが楔となって、このイラク侵攻で大きなヒビとなりました。

 

今の報道はキャスターやゲストコメンテーターが個人的見解を述べることが多く観られます。

 

事実なのか個人の推測なのか混同することもしばしば。

 

事実に対して「こんな見方があるのでは」「こういう考え方があるのでは」そんな視点を提起することはとても有益なことだと思います。

 

しかし推測や思い込みを事実といわんばかりに公共の電波に乗せてくるのはいかがなものか。

 

目に入ってくる情報は今やインターネット経由でも膨大にあります。

 

事実なのか思い込みなのか、視聴者である我々自身自分で少しでも判別できる目利きがますます求められると思います。