(画像:「しあわせの絵の具」公式ホームページより引用)
英語耳セミナーの題材として取り上げていただいた作品で、講師、受講生の方から「いい映画だったよ」と評判をきいていました。
その講師から先日「WOWOWで放映されます」との情報をゲットし、録画してやっと休日に観ることができました。
どんな映画か。。。それは公式ページの紹介を引用させていただきます。
〜幼い頃から障害を抱え、家庭に恵まれなかった1人の女性が、生きがいである絵と夫の愛に包まれて花開いていく。「どんな人生でも自由な精神で楽しめば、素晴らしいことが待っている」と教えてくれる感動作〜
(「しあわせの絵の具」公式ホームページより引用)
若年性関節リュウマチを患いながら絵を描くことが大好きで、それがカナダで有名な画家になっていった主人公のモード・ルイスは、私はこの映画に出会うまで全く知らない存在でした。
ネットで紹介されている絵を見ると、特徴のある構図、色彩、描写というのが第一印象。
そして、かわいらしいなぁと思える作品が多い印象が続きます。
明るい色が多いせいでしょうか。
なんかほんわかとした幸せ感を感じるような絵です(^^)
作品ですが、主人公のモード・ルイスが叔母に引き取られてから、エベレットに出会い、結婚し、そして亡く(なったであろう)なるまでの生涯を描いた内容となっています。
この映画から何を観るか、ですが、大きく「モード・ルイスの生き方」と「エベレットの気持ちの変遷」と2つあるように思えます。
モード・ルイスが生まれたのは1903年。
翌年1904年には日露戦争、1914年には第一次世界大戦が始まる時代です。
女性蔑視、同性愛、障害に対しての冷ややかな社会がまだまかり通っていた時代で、映画にも障害や病気に対する偏見と思われる状況描写が描かれています。
モード・ルイスと同じような境遇だった人の多くにとっては大変つらい時代だったと推察すると、モード・ルイスが必死に自分の幸せを求めている姿は、あまりにも健気で純粋に見えます。
後の夫となるエベレットのモードに対する態度にはグッとくるものがありますが、それでもまだモードが幸せを求める余地を見つけられるような人であったことが、モードにとっては幸せだったのかもしれません。
映画の中でモードが「愛されていたいの」と言う場面があります。
このセリフにモードの幸せ感が凝縮されている気がしました。
愛されたいから必死にエベレットを愛そうとしたのではないかな。
そして愛されていることを表現する手段が絵だったのではないだろうか。
だから彼女の絵にはどこか微笑ましい可愛らしさを感じるのではないだろうか。
ただ純粋であるからこその苦しみもあり、その苦しみに耐える気持ちを持っている強さがあったのではないだろうか。
そんなことを感じました(^^)
「幸せ」を定義することって難しいです。
突然「あなたにとっての幸せってなんですか?」と質問されたら面食らうことでしょう。
「幸せになりたい」と言いながら自分にとっての「幸せ」を実はちゃんと意識していないことってよくありそう(^^)
モードの先の言葉を聞いて、私にとっての幸せもそうなのかもしれない、と思いました。
生きることの意味を考えさせられる映画です。
それにしても主演のサリー・ホーキンス、エベレット役のイーサン・ホークの演技はすごいですね。
きっと御本人たちはこうだったんだろうなぁ、という強烈な印象を植え付けられたくらいです。
映画『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』サリー・ホーキンスのインタビュー映像
こちら参考までにサリー・ホーキンスのインタビューです。
Folk artist Maud Lewis at work in her Nova Scotia home 1965
それからこちらはルイス夫妻の実際の映像です。
Maud Lewis: A World Without Shadows
モードの作品とカラー映像を交えたカナダのドキュメンタリー番組かな、これは。エベレットがカラー映像で映っています。
いい映画を観た後は余韻に浸りたいですね(^^)