今週はいたましい交通事故が何件か報道されていました。
池袋での事故で母娘が犠牲に
都営バスで子供が犠牲に
木更津でやはり子供が犠牲に
毎日のように報道される交通事故のニュースはいつ耳にしても悲しい気持ちにさせます。
交通事故は被害者は無論のこと、被害者の家族、そして加害者および加害者の家族までがその後大変な思いを強いられる状況をつくります。
1日でも早くこういった事故が亡くなってほしいと願うばかりです。
IRTADという交通事故の調査をしている国際機関によると、世界では年間で約125万人の方が亡くなり、数千万人の方々が重大な怪我をされているとのこと。
ここに一部の国々ですが統計データを見ることができます。
その一部をご紹介します。
画像で紹介するデータはすべてIRTADのデータから引用しています。
こちらは2015年の交通事故死者ワースト10です。
この数値は即死あるいは事故にあってから30日以内に事故が原因で亡くなられた方を集計したデータです。
調査対象国は32カ国です。
車社会であるアメリカがダントツで3万人以上の方が犠牲になられています。
続いてアルゼンチン、日本と続きます。
人数でみると日本は少なくありません。
こちらは犠牲者の方が少ない順にリストしたデータです。
アイスランドでは年間16人、ルクセンブルグでは36人にとどまっています。
北ヨーロッパの国々が多いのが目に付きますね。
でも人口の多少、車の数の多少によってこのデータは大きく影響をうけます。
そこで人口10万人に対する割合を示したのが次のデータです。
アルゼンチン、チリといった南米、アメリカ、ヨーロッパの一部がリストに上がっています。
ちなみに日本は「3.8」と32カ国中23番目で、調査対象国の中では少ない方でした。
IRTADでは過去のトレンドも見ることができます。
こちらは日本のデータです。
左から、1年間の犠牲者数、人口10万人あたりの犠牲者数、車1万台に対する犠牲者数の順に並べられています。
1990年から2015年に至るまで、日本は幸いにもいずれも減少傾向にあります。
警察を始め関係者や当事者の努力や意識、車の技術開発が効果を生んでいるといえると考えています。
比較までに車大国のアメリカ、そして犠牲者の割合が高いアルゼンチンのデータを比較してみます。
ご覧のように、日本はいずれも低い水準にあることがみてとれます。
傾向としてはあくまでも犠牲者は減少傾向にありますが、冒頭にも申しましたように悲惨な事故はなくなっていません。
当事者からすれば、交通事故は確率ではなく、あるかないかの世界でしょう。
どんなに確率がさがっても自分たちが当事者になってしまえば、低い確率は全く意味をもちません。
とはいえ、いきなりゼロにすることは車をなくすといったとんでもない施策でもないかぎりできないわけで、現実的ではありません。
今できることは減少傾向を続けさらにその傾向を強めていくことだと思います。
私個人としてこの減少傾向を促進する決め手はこの2つです。
- 自動運転
- 小型化
交通事故の多くは、人間の意識や技量不足によって発生しています。自動運転になることでこの要素は大幅に減少できることをとても期待しています。
小型化は、日本で馴染み深い「軽自動車」の促進です。
バスは都市部でも小型バスが活用されていてそのフットワークの良さが注目されています。
日本は特に狭い道が多い国。
車の小型化は事故そのものの減少に貢献してくれることを期待しています。
道路整備や歩道の確保、歩車分離といった対策もどんどん進めてほしいのですが、土地の利権が絡んでくる話で、なかなか現実味を感じないのが残念です。
バスや電車といった公共交通機関の充実も車利用を減らすことに貢献できることと思っています。
しかしバスは運転手不足で減便されていく始末、かつて日本中の毛細血管のようにはりめぐされてきた鉄道網も採算が合わないということでどんどん廃止が進んでいます。
物流網という観点では車より電車のほうが圧倒的に輸送力があると思うので、昨今の物流社会では鉄道は威力を発揮すると思うんだけどなぁ。。。
おっと話がそれました。
交通事故は運転する人だけではなく、道路を利用している歩行者や自転車利用者の方々も意識が必要なことだと思います。
無理に道路を渡らない、スマホや音楽に夢中になって周りへの注意を怠るようなことをしない、などなど。。。
こんなことしてたら命いくつあっても足りないよ、と言いたくなる人を見かけることは少なくないです。
なんとかは死ななきゃ治らない、というフレーズが一時流行りましたが、死んでしまってからでは遅いんですよね。
お互いに命を大切にしようという意識をもつことから、それが一歩目だと思います。
亡くなられた方のご冥福をこころよりお祈り申し上げるとともに、このような事故がなくなってほしいと願います。