シェアハウスの管理運営をやっていると、いろいろな入居者の方々との接触があります。
直接的な対話もあれば間接的なものもあります。
いいコミュニティを育んでいきたい、と思うと入居者の人たちが受け入れられるか、喜ぶか、嫌うか、などいろいろな反応が大切な情報となります。
シェアハウスで「あるある」の1つに「共有部が片付かない」というのがあります。
特に多いのがキッチンですね。
使ったものを洗わない、食器カゴにおきっぱなし、洗いが足りない、などなど(^^)
直接見ているわけではないので、誰がやったかわからないことが多いのが実情。
なので個人宛ではなく「ちゃんと洗って片付けましょうね」と全体にメッセージや回覧で呼びかけたりします。
それでも改善されないことが少なくありません。
こんな時まず最初に思うのは「なんで言ってることができないんだ」ですね。
でもここでちょっと一歩引いてみると、この思ったことは実は正しくないことがあるんです。
メッセージを送った結果想定される現象は一つではありません。
- メッセージを受け取って内容を見て理解した。
- メッセージを受け取って内容を見たけど馬耳東風で内容は理解していない。
- メッセージを受け取ったが内容を見ていない。
- メッセージを受け取っていない
実は大雑把にわけてもこれだけのことが想定できるんですね。
1なら大概はこちらの期待に応えてくれます。
問題は2〜4です。
2の場合、外国人など日本語・英語が苦手なために意味がわからないケースと、読んでる気になっているけど興味がないので頭に残らないが想定されます。
前者なら伝え方を工夫すれば改善が期待できるかもしれません。
母国語に翻訳するとか、やさしい言葉をつかうとか。
私は日本語学校の学生向けに「全部ひらがな」の記述をはじめました。
さて後者です。
これは3の場合と一緒にとらえてもいいとおもいます。
「内容を理解しようとしない」ことに腹をたてるのは簡単。
でもそれは解決にはつながらない。
大事なのは「なぜ“内容を理解しようとしない”か」という感情と、なぜその感情が起こるのかという「感情の向こう側」を知ることなんです。
例えば、こんなことが考えられます。
- メッセージを発信している私に個人的におもしろくない感情を持っていて、言うことを聞きたいと思っていない。
- 言われていることは自分に無関係だと思っている。
- 言われたことは自分が関わりたくないことである。
さらに深掘ると
- なぜ私におもしろくない感情をもっているのか
- なぜ自分に無関係だと思うのか
- なぜ関わりたくないと思うのか
という感情の向こう側に目を向けることになります。
もしかしたら
- 私に以前きつく怒られたことあった
- 他のひとがやってくれるからいいやと思っている
- 面倒くさいからやりたくないと思っている
といった背景があるかもしれません。
するとその背景によって対処の仕方は変わってくることになります。
個人同士の話し合いが必要かもしれないし、新しいルール設定が必要かもしれないし、動線を考えた仕組み作りが必要かもしれないし。。。
人がなにか行動を起こす時、それが特にネガティブな行動を起こす時。
人を責める、嫌う、怒る、いじわるする、無視する・・・
そういった行動が自分に向けられた時、とても気分は悪いし、動揺するでしょう。
その時はそういった感情をもろに受けるのではなく、「何がこんな感情を生んでいるのだろう」という感情の向こう側に目を向けると、冷静に今起きていることをみることができることがあると思います。
何か嫌なことがあったのかな。
何か不安にさせていることがあるのかな。
何かを恐れているのかな。
感情の向こう側に目を向けてあげることで、対話が進むような気がします。
そんなことをつれづれと考えたりする今日このごろ(^^)