(写真はBBCニュースのWEBから引用:千曲川の氾濫の様子)
スーパーマンデー体育の日でできた三連休最終日は、台風19号とラグビーの快挙のニュースでほとんどの番組がジャックされているようです。
昨日防災の件に言及した際、台風19号の規模のわりには被害が小さかったという視点で記載をしました。
確かにこの規模が50年前に来ていたらもっと大きな災害になっていたかもしれません。
それでも時間が経つにつれ、被害の大きさがどんどん明らかになってきました。
その凄さを物語る1つが「河川の氾濫」。
NHK WEB NEWSによると、10月13日夕方時点で判明したのは「決壊21河川24箇所、越水はのべ142河川」とのこと。
昨年7月台風7号による「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)」、一昨年7月の九州北部で発生した集中豪雨「平成29年7月九州北部豪雨」と毎年大きな水害が立て続けに発生しています。
テレビなどで専門家が語るところによると、
- 堤防建設について住人と話をしている時期に決壊してしまった。
- 行政から堤防建設の提案があったが住人側が「景観を損ねる」などの理由で実現できなかった。
- 林業が衰退し間伐がされなくなったため、山肌に草や低木が育たず土壌が流れやすく鳴っている。
といった指摘がありました。
どれも今回の堤防決壊の要因の一つ、あるいは遠因である可能性は十分あるでしょう。
実家近くを流れる多摩川では、こんなことも明らかにされてきました。
二子玉川駅近くです。
緑と赤のラインで囲われたところは元々渡しの船の発着場だったことから茶屋が栄えたところで、そこから宅地に変わっていったところ。
洪水対策で国が赤のラインに堤防を提案したのだが、「景観が悪くなる」といって緑色のラインに堤防をすることになったらしい。
すなわち自分たちを守るはずの堤防が後ろにあるということで、いつでも洪水いらっしゃい状態になっていたそうです。
ここは今回浸水の被害をうけたところの一つです。
明治、大正、昭和初期〜戦後高度経済成長期までは、よくも悪しくも国が強引に土木インフラを進めてきたので、昨日お話したダム建設や、治水工事、まちづくりなどが進んだ面もあると思います。
それが、これも良くも悪しくもですが、国民の声が大きくなってきたところ、公共事業に対する視線が厳しくなってインフラ作りが難しくなってきた。
昔痛い目にあっても、時が経つとその痛みを忘れてしまう。
大昔ここまで津波がきたという言い伝えや印があり、ここから先に居を構えてはいけない、ということが伝えられてきたが、ときが経てば「そんなにおこらないだろう」と警戒心が薄れどんどん家が建てられ、そして大津波がきて流されていった。。。
いろいろなことを確率論的に評価する習慣がついてしまっている我々にとって、「めったに起こらない」ということへの対応は、優先順位をさげてしまう。
私も震災にあうまではその一人でした。
たまたま私は今回の台風で被災していませんが、今回浸水したところに家を構えていた可能性だってあったわけで、ちょっとしたきっかけで災害報道で私の名前が報じられていたかもしれないのです。
悲しいかな、痛い目にあって初めて気づく人は少なくない。。。
私なぞそんな人生です(笑)
でも気づいてからでもいいから、「ではどうしよう」と考え始め、行動始めることが大切かな、と思います。
ここに書いてあることは、被災された方や行政を批判することを意図しているのではなく、自戒の気持ちを込めて今起きてしまったことを受け止め、明日に、そして次の世代につなげていく行動をとっていけたら、という気持ちです。
そんなときにテレビを通じて元気を届けてくれたのがラグビーでした。
(ラグビーワールドカップ公式ホームページより引用)
もちろん、日本初のベスト8進出に興奮しましたが、私はスコットランドと日本のゲームそのものに鳥肌がたちました。
ラグビーの世界ランキング今日時点で以下の通りです。
1位 ニュージーランド
2位 ウェールズ
3位 イングランド
4位 アイルランド
5位 南アフリカ
6位 オーストラリア
7位 日本
8位 フランス
日本がフランスを抜いて7位にあがりました。
それだけランキングは目まぐるしく変わります。
上位8チームのうち、ウェールズ、イングランド、アイルランドはグレートブリテン(通称イギリス)圏、ニュージーランド、オーストラリアがオセアニア、そしてアフリカ、ヨーロッパ、アジアが1カ国ずつです。
スコットランドは9位。ワールドカップ始まる前は日本より格上で、しかも日本に負けたことがなかったのです。
日本がこのランクに入る前は日本の代わりにスコットランドが入っていました。
そしてワールドカップでは2回前大会を除きすべてベスト8に勝ち上がっています。
それだけイギリスはラグビー大国でもあるわけです。
前回大会も日本はスコットランドに敗れてプール(予選)敗退となりました。
スコットランドの意地とプライド、そして日本の執念がぶつかった試合でした。
テレビではもちろん日本を応援していましたが、スコットランドのド迫力がテレビを通じて伝わってきて、「なんちゅう試合をしているんだ、この人達は・・・」と呆然としてしまいました。
動きを見てると、ものすごい練習をこなしてきたんだろうなぁということが伝わります。
プロのよどみない動きの美しさに通じるような連携が双方に随所で見られます。
そして時折でてしまうエラー。
これで試合の流れが一気に変わるくらい緊張感の続く80分でした。
テレビでは「日本は強くなった」と多くの解説者やコメンテーターが語っていましたが、私はアイルランド、サモア、スコットランドといった強いチームが日本チームの強さを引き出してくれていると思います。
強いチームから吸収する力を持ったこと、これが今の日本チームの強さなのかな、という気がします。
次の南アフリカ戦。
南アフリカはマンデラ大統領就任直後の自国開催で奇跡の優勝を遂げました。
映画「インビクタス」でマット・デイモンとモーガン・フリーマンが好演しています。
今の日本にはもしかしたら・・・という淡い期待をもたせてくれる空気がありますね。
人を応援すると自分も元気になる気がします。
来週もがんばってほしいな。