最近朝聴いているVoicyで新型コロナウイルス感染症(以下コロナウイルスとする)の影響について触れていました。
定量データに基づいてインフルエンザとの比較をしていたので、ちょっとその内容を抜粋してみました。
この冬のインフルエンザは昨年のおよそ半減
(国立感染症研究所のホームページより引用)
このグラフは国立感染症研究所による定点観測データを表したものです。
全国約5,000のインフルエンザ定点医療機関を受診した患者数が週ごとに把握されていて、横軸は週、縦軸にその値を記録したものです。
今年2020年はグラフでは第1週から第5週までのデータが記録されていて、第5週では14.11という値だそうです。
これは定点における患者報告数が約7万人に相当するというもの。
これが第6週では9.04、2月17日発表の第7週では7.49と減少傾向にあります。
グラフをの左側、今年2020年は赤い線で、昨年2019年は青い色で表示されていますが、今年は全然低くなっていることがわかります。
今年の第7週における定点以外を含む全国の医療機関をこの1週間に受診した患者数を推計すると約26.3万人、2019年第36週以降これまでの累積の推計受診者数は約675.2万人と推定されるそうです。
ちなみに昨年2019年はここ10年で最もインフルエンザの影響が大きかったようで、定点指数は第5週43.24、第6週26.28、第7週12.49と今年の2〜3倍の拡がりを見せていました。
2019年第7週における定点以外を含む全国の医療機関をこの1週間に受診した患者数を推計すると約45.9万人、2018年第36週以降これまでの累積の推計受診者数は約1,075.2万人と推定されるそうです。
ところが、グラフの右側を見てみます。
今シーズンは2019年の冬からスタートしているので、青い線です。
そしてここ10年最悪と呼ばれた昨年のスタートは2018年の冬からなので記号の違う青い線です。
こうやってみると今年のスタートは、ここ10年で最悪だった昨年よりもひどいペースでインフルエンザが拡がりつつありました。
ところが、年明けてからガクッとそのペースが落ちたんです。
このタイミング、コロナウイルスによる騒動でみなさんがマスク、手洗い、消毒、イベントの中止などで対応を始めた時期と一致する、というのがVoicyでの指摘でした。
確かに!
これは2019年の第7週の全国におけるインフルエンザの影響。
こちらは2020年第7週の全国のインフルエンザの影響。
(画像はいずれも国立感染症研究所のホームページから引用)
明らかに減っています。
コロナウイルスの動向
厚生労働省の発表によると2月21日現在で
検査実施者数:1,522人
うち陽性反応:93名=患者79名+無症状保菌者14名
患者79名=退院20名+入院中58名+死亡1名
という状況だそうです。
(ただしクルーズ船は特殊状況なので除く)
世界でみると、2月20日現在で
中国:74,675人
韓国:104人
日本:85人
シンガポール:84人
タイ:35人
の順となっています。
(引用:WHOのホームページから
死亡率について
まずは季節性インフルエンザ。
2018年第1週〜第52週での推定患者数は2,104万人、2017年は1,743万人。
(データは国立感染症研究所より引用)
2018年第1週〜第52週での死者数は3,323人、2017年は2,569人。
(データは厚生労働省人口動態統計より引用。https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai18/dl/gaikyou30-190626.pdf)
死亡率は2018年は0.016%、2017年は0.015%です。
ざっくりいうとインフルエンザによる死亡率は0.02%くらいと思われます。
一方今回のコロナウイルスは、2020年2月1日現在では、致死率は、中国全土では2.19%、武漢市5.97%、湖北省(武漢以外)1.45%、湖北省以外の中国全土0.22%と言われているそうです。
武漢では医療体制の整備がおいつかずに崩壊してしまっているためではないかと推定する向きもありますが、インフルエンザよりは高そうですね。
さあ、どうする
データがまだ揃っていない状況で危機の多寡について語るのは乱暴ではありますが、自分のできる範囲で予防をするということだろうと思います。
- 手を洗う
- 消毒をする
- マスクをする
- ”できる限り”人混みの多いところに立ち寄らない
- よく寝る
- 栄養バランスを考える
- 適度に運動をする
私はまずコロナに負けないようコロナビールを飲みました(^^)
コロナウイルス対策をすることで、昨年以上に拡がる恐れのあったインフルエンザの拡散が抑えられたのは、興味深いことでした。