コロナウイルスの影響で夜のイベントや約束がキャンセルされ、自宅で作業できる時間が増えているこの頃。
久しぶりにCNN10を聴きました。
(画像はCNN10のホームページから引用)
そこで興味深い話題があったのでご紹介(^^)
なおCNN10のその放送はこちらです。
1分58秒くらいででてくる「:10Trivia」のところです。
4択の問題がでて、それにまつわる話題をレポートするというコーナーです。
In terms of sales, which of these U.S. retilers is biggest?
(次の小売店の中で最も大きな売上をだしているところはどこでしょう?)
答えは
Walmartでした(^^)
2018年度での年間の売上を比較すると
- Costco:1,527億ドル(約16.8兆円)2019年9月期
- Amazon:2,329億ドル(約25.6兆円)2018年12月期
- Kroger:1,212億ドル(約13.3兆円)2018年12月期
- Walmart:5,144億ドル(約56.6兆円)2019年1月期
(各社の決算情報より)
となっていて、たしかにWalmartがダントツで大きいことがわかります。
すでにAmazonの天下かというイメージを持っていましたが、実はだいぶ違うようです。
アメリカ合衆国(以降アメリカとします)では2019年に約9,300店舗が閉鎖されたようです。
これは前年に比べ61%の増加で、近年最大だった2017年の8,000店舗をも上回っています。
この状況に「実店舗は滅亡するのではないか、と言われている」とちょっと視聴者を驚かします(^^)
- ネットショップ店舗:online shop
- 実店舗:in-store
- ”実店舗の滅亡”をretail apocalypse(小売の黙示録)
と表現していました。
しかし、閉鎖店舗を精査すると実情が見えてきます。
実はあるチェーンが倒産や縮小のために大量の店舗を閉鎖していることで数値が上がっていることがわかります。
以下プランも含めて主なものをリストしました。
- Payless shoeSouce(靴屋さん):2,500店舗(縮小のため)
- Gymboree(子供服):805店舗(倒産)
- Dres Barn(婦人服):650店舗(縮小)
- Fred's(ディスカウント):520店舗(倒産)
- Charlotte Russe(衣類):520店舗(倒産)
- Family dollar(日用品):390店舗(縮小)
- Shopko(婦人服):371店舗(縮小)
- Charming Charlie(宝飾):261店舗(倒産)
- Destination Maternity(妊婦服):258店舗(倒産)
- Chico's(婦人服):250店舗(縮小)
- Gap(衣類):230店舗(縮小)
- Avenue(婦人服):222店舗(縮小)
- Walgreens(薬局):200店舗
(引用:Stores closing include A.C. Moore, Sears, Kmart, Walmart in 2019 - Business Insider)
すなわち一部の企業の倒産、縮小による店舗閉鎖という数値なんです。
倒産:bankrapcty
閉鎖店舗:the closures
これらの企業はCNNの解説者によると、
何らかの投資を行ったために債務が大きくなり、それを支えきれなくなってしまった
という流れで倒産、縮小になったのではと語っています。
実は小売の市場規模はどんどん成長しているようです(アメリカにおいて)。
(引用:U.S. Total Retail Sales 1999-2019 - Marketplace Pulse)
こちら四半期(3ヶ月毎)の小売店の総売上です。
”T”はtrillionすなわち"兆”の単位です。
3ヶ月で1,000兆ドル規模の売上があって、年間4%くらいの成長を続けているんです。
これ、すごい規模ですね。
それに対し、ネットショップはどれくらいの比率なのか。
(引用:• U.S. retail e-commerce sales share 2019 | Statista)
こちらを見ると2010年の段階ではまだ4〜5%で、やっと2019年になって10%になってきたようです。
伸び率という意味ではこちらネットショップの伸び率は市場の成長スピードより高いですが、それでもまだこのレベルだったんです。
すなわち、「小売はほぼ実店舗によって支えられている」のが今の現状、ということなんですね。
CNNに登場する解説者によると
”実店舗(in-store)”と”ネットショップ(online)”は実は補完関係にある
と語っています。
どういうことかというと、利用者は一つの買い物に実店舗とネットの両方を活用している、ということなんですね。
消費者がものを購入する時に、「選んで(Selection)」「買って(Purchase)」「手元に届ける(Delivery/Pick Up)」というプロセスがあるのですが、
実に購入者の2/3(two-third of consumers)が「onlineでチェックしてin-storeで購入している」というアンケート結果が紹介されていました。
この両刀遣いをhybridという表現をしていましたね。
また利用者の70%は、「オンラインで購入して、実店舗で受け取る」という経験をしているそうです。
Consumers are taking advantage of other hybrid options like ordering online and then picking up in-store.
Walmartと並んで有名な小売店のTargetでは、2019年第3四半期の売上増加の80%がこのパターンだったそうです。
つまり、onlineとin-storeが一緒になってきた様相を見せています。
onlineの会社がin-storeをオープンする動きが加速していて、すでに1,700店舗がオープンしているそうです。
今や、onlineとin-storeを切り離すこと自体意味がなくなりつつあり、このHybrid optionを上手に顧客に提案できる企業がこれから生き残るために必要になってきそうです。
英語の勉強にもなるし、市場経済の勉強にもなってなかなか興味深い内容でした。
なお、CNN10の同時通訳バージョンはNHKが1日遅れで放送しており、ホームページでも紹介しています。