先週の読書会の課題図書です。
読書会のときは全部読みきれておらず、後追いで読了しました。
本書は中国の現役将校がおよそ20年前に草稿したもので、この3年後に起こった9.11のアメリカの貿易センタービルにおけるテロを予言していた、ということで脚光を浴びたものです。
話の概要としては以下の通りです。
- 本書は戦争についての本
- 戦争は殺傷能力のある武器の開発に終止していた
- しかしこれからの戦争はありとあらゆる要素が現場となる
- 金融、貿易、通信、メディア、資源、イデオロギーなど
- 戦争は軍人だけのものではなく、非軍人も戦闘要員となりうる
- これからの戦争はこういった多面的な要素の組み合わせで繰り広げられる
9.11で脚光を浴びるようになったテロ、アジア金融危機などに見られる経済の混乱、経済封鎖による締付け、ハッカーなどによるシステムへの侵入、フェイクニュースにみられる情報戦・・・
ここ20年くらいで急激に目に、耳にするようになった”戦い”です。
確かに・・・
言われてみるとなるほどなぁ、と思わされるできごとがこれまでたくさん会ったような気がします。
著者によれば、
戦いは殺傷能力の高い武力だけでなく、世論を動かしたり、経済で締め付けたり、いろいろな要素を組み合わせてこそ強みを発揮する
というようなことを言っています。
1プラス1は絶対2より大きいんだ、と。
私は元々喧嘩が嫌いで、争うことから極力自分を遠ざけてきました。
(人生で一番という争い”離婚”では戦い方を知らなさすぎたのかもしれません・・・)
だから、正直戦争の話には興味を持てなくてあまり読む速度が上がりませんでした。
ですが、ここに書かれていることは今自分の身の回りに起こっているのかもしれません。
ここ10数年で自分の中で変わってきたことは、
- メディア・報道の情報をそのまま受け入れない
- これって誰にとって得なんだろう、という斜めの視線
かな。
それこそ昔から「デマを流す」というのは優秀な武将は利用していたわけで、フェイクニュースなんていうものは、今に始まったことじゃあない(^^)
恣意的なメディアが存在していると思われる情報で、その真贋を見分けることは容易いことではないです。
先日もブログでお話しましたが、一次情報にふれる機会は自分の時間が24時間しかないことを考えると限界があり、二次あるいはそれ以降の情報に頼らざるをえない現実がある中、自分と直接相対することで得られる一次情報は、とてもとても大切なものだと、感じます。
そう考えると、自分の周りは常に”戦争状態”なのかもしれませんね。
今回のコロナウィルスの蔓延で、普段当たり前のように過ごしていた時間がとてもありがたい時間だったことに気づいた人は少なくない、と感じています。
そんな”当たり前”だけど”ありがたい”時間を過ごせるような社会になっていかないものだろうか。。。なんて思っちゃったりするわけで。。。
この本は、私にとっては、そんなのほほんとした私に現実を見せつけるきっかけの一つとして存在しているのかもしれないです。