最近は緊急事態宣言の影響で、テレビ各局も人を集めることができず、いろいろな番組が中止になったり、昔の放送を再放送したりするようになりました。
毎週日曜日は将棋のNHK杯トーナメントを楽しみにしているのですが、こちらも対局が止まってしまい、つい2ヶ月前の番組を再放送していました。
ところが先週は「アーカイブ」としてなんと31年前の対局を放送してくれました。
ダイジェストはYoutubeにも掲載されていますので、そちらを御覧ください。
【貴重映像】全盛期の加藤一二三 vs 羽生善治【伝説の対局】
この対局、将棋ファンにとってはとても有名な対局なんですね。
私も当時見ていた気がするのですがほとんど記憶に残っていませんでした(^^;;
加藤さんは今では「ひふみん」なんてみんなからいじられていますが、将棋界のおいては屈指の天才棋士でした。
詳細はWikipediaさんで(^^)
今をときめく藤井聡太さんが記録を更新するまで、四段になるいわゆるプロ入りの最年少記録を保有していて、市場初めての中学生プロ棋士となった人です。
ちなみに中学生でプロ棋士になった人は、加藤さん以降、谷川浩司永世十七代名人、羽生善治永世七冠、渡辺明三冠、そして藤井聡太さんの五人しかいません。
加藤さんはその後も最高峰A級にに18歳3ヶ月という若さで上り詰め、1950年代、60年代、70年代、80年代、90年代、2000年代とすべての年代でA級に在籍していた唯一の棋士でもあります。
すなわち早くして強くなり、長く強かった、ということです。
なので「神武以来の天才」と言われていました(^^)
羽生さんは当時まだ18歳で、五段になったばかりですが、今の藤井聡太さんのように、勝率、勝数、対局数、連勝数すべてで棋士トップという破竹の勢いで、こちらも天才の呼び声が高かった時です。
この2人のこの対局はYoutubeに掲載があるほか、羽生さんのWikipediaのページでも掲載されているくらい有名なんです。
羽生さんのWikipediaにも掲載されていますが、終盤ただでとられるところに銀をうち、あっさり買ってしまったその鮮やかさが、その後大活躍する羽生さんを物語っているというところにあります。
このNHK杯トーナメントでまだ若手の五段だった羽生さんは、3回戦で大山15代永世名人、準々決勝でこの加藤さん、準決勝で谷川さん、決勝で中原さんという名人経験者をことごとく打ち破って優勝しちゃいます。
そしてその年には竜王というタイトルもとっちゃいます。
まあ、そのすごさは以前私もこのブログで一部だけ紹介しましたが、Wikipediaでもかなり詳しく掲載されています(^^)
まあ、Youtubeのダイジェストしか観ていなかった私には、最初から対局がみれてなかなか楽しめました。
30年も前となると、指し方、解説など時代を感じますね。
そして加藤さんがそうなのですが、人間臭い癖や動きがあって観ていても楽しいですね。
「今日の見どころは?」と聞き手に聞かれた解説の米長さんは「加藤さんがいつ咳をするか、ですね」と言っていました(笑)
なんのこっちゃ、と思ったのですが、加藤さんは予想外の手を打たれたりすると空咳をするらしいんです。(^^)
実際この対局でも前半で空咳をして、米長さんが「ほ〜ら、加藤さんも驚いてる」と笑っていたのが印象的でした。
現在の棋士はとても紳士的で指し方はおだやか、決して表情は変えずほとんど動かず。
文字通りポーカーフェースの対局が多いですね。
昔は豪放磊落で対局が終わると弟子をつれて飲み歩く棋士が多かったとか。
今の人たちは寸分の時間も惜しんでAI将棋で研究をしているようです。
おそらく昔に比べて将棋の力はぐんと上がったんだろうと思われますが、なんとなくさみしい印象ですね。
ものすごい人間臭い将棋を観させてもらいました(^^)