(画像:NHKホームページより引用)
NHKのBSで毎週月曜日20:00から放送されている「ワイルドライフ」。
私の最も好きな番組の一つです。
普段観たり聴いたりすることができない自然の姿を紹介してくれます。
その取材期間はたいてい1年、長いもので数年かかるものも。
季節や乾季・雨季の切り替わりなど、1年で気候が一巡し、それによって自然が見せる姿が変わってくることがよくわかります。
民放ではこんな取材費用は絶対かけられないだろうという質を誇っていると思っていて、NHKと民放との明らかな違いを見せつけている番組だと感じています。
まず民放では1時間の番組のためにスタッフ数人を1年あるいはそれ以上取材でロケにいかせ、それを毎週の番組にすることなんてまずできないでしょう。
「採算が取れない」から。
そう、よくも悪くも採算度外視を感じさせるスケールと質を感じさせてくれるのがいい。
4Kでも放送されているので、本当ならチューナーそろえて観てみたい(^^)
さてさて先日はキューバを取り上げていました。
キューバは元々海底が隆起し、一時期陸続きだったこともあったようですが、1600万年前に地球の温暖化や地殻変動によって孤立した島々なんだそうです。
偶然この島々にたどり着いた生き物は隔絶された世界で独自の進化を遂げていったんだとか。
海に守られてるキューバは手つかずの自然が沢山残されていて、植物の半分、脊柱動物の1/3がキューバ固有種というくらい。
そして現在250以上の国立公園や保護区があり、その面積は島全体の1/5を占めるそうです。
ちなみに日本では環境省が管理している国立公園が34箇所、一般財団法人 自然公園財団が管理している国定公園が57箇所あるに過ぎません。
キューバの国土面積は日本の約30%程度にも関わらずです。
しかしキューバには自然界最大の敵でもある「人」が住んでいます。
なぜ多くの固有種が絶滅せずに残っているのか。
その理由の一つがカストロ。
なぜカストロなのか。
1つ目の理由は、カストロ自身が自然保護政策をとっていたこと。
キューバの自然保護政策について記載している記事がありました。
キューバは支援を受けているロシアと近隣の超大国アメリカによる経済封鎖との板挟みという特異な環境におかれて国の舵取りをしなくてはなりませんでした。
経済的に厳しくなった中でどう生きていくかを考えた上での環境保護政策という一面もあるようです。
記事を読むとなるほどと思うところはあります。
それでもなぜカストロが環境保護を国策としていたのかは、この記事からはまだわかりません。
もう一つの理由は、西側諸国から経済封鎖をうけていたため、資本経済が入ってこなかったことが自然を残すことにつながったようです。
経済活動が環境破壊を招いてきたことはある意味自明のことでもあり、キューバに住む生物たちにとってはカストロが西側と対立したことは幸いだったのかもしれません。
ワイルドライフの別の放送で、ハゲタカが大量死している現状が伝えられていました。
ハゲタカは死体を見つけるとその上で旋回するため、サイや像などの密猟者にとっては居場所がばれてしまうため、迷惑な存在なんです。
そのため、象牙や牙をとった後死体に毒をいれてハゲタカを始末することに。
ハゲタカが減ると動物の死骸が長い間放置され、それによって病原菌が発生するリスクが高まり、生態系に大きな影響がでます。
ハゲタカにも数種類いて、肉片を好むもの、筋を好むものなど種類によって好みが異なるため、動物の死骸がきれいになくなるようですね。
人の欲による行動がもたらす悪影響を物語っています。
そういったことと真逆な姿勢をこのキューバという国に感じました。
日本は人口が減る〜、と言われていますが、むしろ逓減していく流れに逆らわず自然保護区域を少しずつ広げて、知床のように人が入り込まない領域を保護区として確保し、山、川、海の恵みとともに生活していくスタイルもありなんじゃないか、時々思ったりします。
キューバは行ったことがないのですが、自然の空気を吸ってみたいなぁ、と生きている間に行きたいところの一つに追加しようと思いました(^^)