48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

読後感想〜「樅の木は残った」(上中下)

 

読書会は今週はお休みなので、自分で選んだ本の読後感想です。

 

山本周五郎の代表作の一つ。

 

以前一度読んだことがあったのですが、読書熱を復活させたくなり、以前読んで面白かったという記憶のある長編小説ということでこちらを選びました。

 

文庫本にして3巻セット、総ページ数1,400ページ余り。

 

以前にもブログで書きましたが、一度火がついた読書熱が宮沢賢治銀河鉄道の夜」で一旦消火されてしまい、もう一度火起こしをするような気持ちでした。

 

結果は期待通り「着火」しました!

 

電車の中や寝る前など、早く続きを見たいという気持ちがでてくるようになりました。

 

相性って本にもあるんですね。。。

 

 

 

さてこの本は、実際にあった江戸時代の話を元にした小説です。

 

徳川第4代将軍家綱の時代に起こった仙台藩伊達家のお家騒動を題材にしています。

 

あの有名な伊達政宗を初代とした仙台藩の第3代藩主綱宗が突然逼塞(ひっそく:罰則の一つで門を閉ざして昼間の出入りを禁じられる処分。自宅軟禁に近いかも)を幕府から 命じられるところから物語は始まります。

 

そして突然4人の男たちが暗殺されます。

 

いきなり話は広がるし、登場人物がじゃんじゃか出てくるので、最初は面食らいます(笑)

 

そしてどうも藩主の逼塞やこの暗殺には、伊達家を分断するという陰謀がからんでいるらしい、ということが明るみになり、家老原田甲斐宗輔が中心となってその陰謀からなんとか逃れようとします。

 

その陰謀の背後には大きな力があって藩全体を揺り動かすのですが、そこで藩主、家老、幕府重臣から庶民に至る前いろいろな人間模様が描かれる大作です。

 

この小説で軸となるのは、主人公原田甲斐宗輔の忍耐力です。

 

伊達藩の分断を目論む権力から様々な揺さぶり、誘い、仕掛けがあるのですが、深い思慮で仲間をもあざむきながら、ギリギリでかわしていく描写はなんともいえません。

 

 

 

主人公の原田甲斐宗輔は小説では伊達家分断を防ごうとする忠臣として描かれていますが、Wikipediaによると実際はお家騒動の中心人物だったようで悪人とされていたようです。

 

この小説、さきほども言ったようにものすごい登場人物が出てくるので、その人間関係を理解するのにちょっと苦労するかもしれません。

 

なんせ、伊達藩の家老たちもそれぞれ現在の宮城県で城主となっていて、それぞれに家老も存在していたりします。

 

そして昔は姻戚関係が複雑なので、世代がうまく合わないこともあります。

 

なので読み終わった後、その人間関係を整理しようとメモを取り始めたのですが、このブログ更新に間に合わず・・・

 

後日アップしようと思います(^^)

 

この小説に登場する人たちは、みんな強い個性をもっています。

  • 原田甲斐宗輔:沈着冷静で、罠や誘いをことごとくかわしていく
  • 宇乃:両親を暗殺され13歳ころから原田の元で保護されるのだが、その原田とテレパシーがつながっているのではないかというくらい原田を感じることができる
  • 新八:兄が暗殺された後国元に返される途中で脱走。女性を知ってから堕落した生活を送るが生きがいを見つけて立ち直っていく
  • 伊東七十郎:切れ者で原田に惚れ込んでいたが、持ち前の気質で最後は謀略に乗ってしまったその生き方の不器用さがなんとも。。
  • 伊達兵部:幕府老中酒井忠清と姻戚関係になり新たな伊達家の中心人物に躍り出ようという野心は親伊達政宗の血を引いていると思わせるが。。。
  • 柿崎六郎兵衛:剣の腕と多少の知恵があるのだが自分の能力を過信して堕落していく
  • みや:柿崎の妹で、身体を売ることで兄の生活を助けていたが、その兄の行動と新八との出会いで人生が大きくゆさぶられる

 

あまり書くとネタバレになってしまうので、このあたりで(^^)

 

他にもたくさんの人物がでてきて、それぞれの人間模様が描かれています。

 

だからかなりのボリュームになったのかもしれません。

 

約1,400ページ余りをほぼ10日弱で読了したので、私なりには結構なスピードでした(^^)

 

次は読書会の課題図書を読むことになりますが、その後は再び山本周五郎の作品を読もうと思います。

 

一度読んだ本でもまた読み直すのは悪くないですね。

 

むしろ今だから感じられることもあり、それはそれで新鮮な感覚です。

 

 

 

またいつか読み直すかもしれません(^^)