48歳からの挑戦

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読書会〜「2020-2030アメリカ大分断 危機の地政学」

今回の読書会課題図書はジョージ・フリードマン著の「2020−2030アメリカ大分断 危機の地政学」でした。

 

”今回の”といっていますが、読書会自体は先週終わっていて、読書会後に読了したものです。

 

著者ジョージ・フリードマンは、ストラトフォーというアメリカのシンクタンクの創設者で、ストラトフォーは「影のCIA」と呼ばれるほど高度な情報を集め、政府機関や民間企業に情報提供をしているそうです。

 

Wikipediaにもその記載が見当たらないことから、自分に関する情報も厳しく統制しているかもしれません。

 

2020年2月に発行、8月にはコロナにも言及した日本語版増補を掲載しているくらい、最近の書です。

 

著者いわく「本書はアメリカ合衆国がどのように機能しているか解き明かそうとする本」とのこと。

 

建国以来、「約80年周期の制度的サイクル」と「約50年周期の社会経済的なサイクル」 が循環しており、あるサイクルからあるサイクルに移行するときに、社会や政治の情勢がたびたび不安定になるのはもちろん、ときに大混乱に陥ることもある、と述べています。

 

実は2020年から2030年にかけて、この2つのサイクルが同時期に次のサイクルに移行するタイミングらしい。

 

これは建国以来初めてで、それだけにとても注目される時期らしいです。

 

 

 

まえがきで「トランプ大統領に対する批判と指示の間でアメリカが分断されているような印象があるが、”今に始まった話ではない”というところから始まります。

 

今私が感じているアメリカに対する印象は決して特別なものではなく、アメリカの歴史で繰り返されてきたということ、インディアンの時代から争いがあったこと、アメリカという国は”発明された”国であること、などこれまで認識したことのなかった見識を紹介してくれています。

 

面白いのは、「どんな人物が大統領になろうとも、その人物よりは、根底に流れている2つの大きなサイクルによってアメリカは動いていく」という視点。

 

著者によれば、2024年になる大統領は、いわゆる「ダメダメ大統領」で、2028年になる大統領が新しいサイクルを動かし始めることになるらしい。

 

それまでは今のサイクルが終わりを迎える前の歪がどんどん大きくなって、混乱が大きくなるだろうと予想しています。

 

 

 

著者のいうところの「サイクル」というものの”物理量”がなんなのかは、この本だけではわからないので、ちょっと漠然としている面があるのですが、おそらく著者の長年の活動によって、あるデータが集められているのではないかと想像します。

 

人智を超えた流れに支配されている、みたいな運命論?というチープなものではないと思いますが、そういう流れができるように”設計された”国なのかもしれません。

 

もしそうだとすると建国の父といわれている、ベンジャミン・フランクリントーマス・ジェファーソンジョン・アダムズジョージ・ワシントンといった面々はすごい”発明”をしたのかもしれません。

 

自然発生的に国が生まれた中国、日本、ヨーロッパ諸国とは違って、人工的に作られた国アメリカ。

 

私自身は勉強不足でありますが、アメリカの歴史を地政学的な視点で覗いている、そんな書かもしれません。

 

日本は良くも悪しくもアメリカの影響をモロに受けている国。

 

このサイクルの影響は少なくないことでしょう。

 

ということは日本にも似たようなサイクルが発生しているかもしれません。

 

すなわちアメリカで起きている現象が規模は小さくとも日本でも発生するのか。

 

ちょっとアメリカという国を俯瞰できるような気持ちにさせられます。