48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

クリスマス島

久しぶりに休日モードだった半日、NHK BSで放送されている「ワイルドライフ」の録画を久しぶりに視聴。

 

この時に見たのは「クリスマス島」でした。

 

クリスマス島はオーストラリア領ですが物理的にはインドネシアに近いところに位置しています。

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まさに東京よりも遥かに台湾に近い沖縄のような存在かもしれません(^^)

 

その昔東インド会社がクリスマスの日にこの島を発見したのがこの島の名前の由来らしいですが、諸説あるようです。

 

数千年前の地殻運動によって隆起して誕生し、全体の70%くらいが絶壁で覆われています。

 

ワイルドライフは生き物の視点から自然を見つめる構成なのですが、今回の生き物は「ヤシガニ」「アカガニ」「ブルークラブ」が主人公。

 

ヤシガニは日本でも石垣島などで生息しているようで、クリスマス島ヤシガニは大きいもので1メートル以上、そして100年も生き続けることができる、陸上最大の甲殻類だそうです。

 

木の実や名前の通り椰子の実を好物で食べますが、アカガニと言った生き物も食べます。

 

アカガニは文字通り体が真っ赤なカニで、主に葉などの植物を主食とし、クリスマス島の森の中に5000万匹くらい繁殖しています。

 

繁殖期には卵を抱えたメスが島にわずかに存在している海岸に移動して海に産卵をするのですが、海の中ではアカガニは呼吸ができないため、多くのメスはこの産卵中に死んでしまうようです。

 

ブルークラブはこれも文字通り身体が青いカニで、島の中で真水が湧き出て生じた川べに住んでいます。

 

興味深かったのは、この島の生態系。

 

研究者によると、アカガニはクリスマス島の森の生態系に大きな影響を与えているようです。

 

アカガニが生息しているところはアカガニが落ち葉や下草を食べるので森がいいあんばいに保たれていたのですが、アカガニが生息していないところでは草が生い茂って小さな植物が育たなくなってしまうらしいです。

 

近年、アカガニが急速に数を減らしています。

 

それはアシナガキアリというアリが船といっしょにこの島にもたらされ、アカガニを食べるようになったことがきっかけです。

 

このアシナガキアリだけならまだ大きな問題ではなかったようなのですが、さらに人によってカイガラムシの一種がもちこまれ、このカイガラムシがきたことでアシナガキアリが激増し、さらに凶暴になったんだとか。

 

カイガラムシが出す甘い蜜をアシナガキアリが好んでおり、この密が凶暴性を上げているとみているんだとか。

 

このアシナガキアリ、アカガニだけでなく1メートル以上にもなるヤシガニにも襲いかかってしまうんだとか。

 

アリがギ酸をヤシガニの関節や目などにかけて運動機能を低下させ、弱ったヤシガニは食事ができなくなり死んでしまうというもの。

 

目の前にあるものは何でも襲うという無差別テロのようなものです。

 

このままではクリスマス島の森の破壊にも繋がりかねない、ということで研究者が考えたのは、カイガラムシを食べるハエを持ち込むこと。

 

実は外来種によって生態系が壊れそうになったときに、この外来種の天敵をさらにもちこめばいい、というやり方はこれまでかなり失敗してきたんだとか。

 

そのため、本来の生態系を崩さずに外来種の増殖を抑制させる手段を見つけるのに10年以上の時間をかけて慎重に研究を続けてきたそうです。

 

その結果が、カイガラムシに卵を産み付けてそれを餌にするというハエがもっとも効果的という判断になったんですね。

 

以前にも人間の乱獲で狼が絶滅したことでシカが増殖し森が壊れ始めたので、別の地域に生息していた狼を連れてきて放したところ、生態系のバランスが戻って森が回復し始めたという話を聞いたことがあります。

アメリカ合衆国イエローストーンの例)

 

自然はいろいろなところでバランスが成り立っているんだな、という一面をこのクリスマス島でも感じました。

 

ヤシガニやアカガニなどの甲殻類は産卵の際に1匹あたり数万〜数十万の卵を生みます。

 

これは数千万匹やるのだからものすごい卵が産卵されるんですけど、成長できるのはほんのわずかで、後は食べられてしまうんですね。

 

餌としての役割というのも悲しいものはありますが、それが自然の摂理なのかも。

 

 

 

ちなみにこのクリスマス島、オーストラリア領で公用語も英語ですが、住人は70%が華人、すなわち中国系です。

 

やはりアジア圏に近いからなのかもしれませんね。