数ヶ月前にNHK BSで放送されていたものを録画していたのですが、ずっと観ておらず・・・
先日「そういえば観ていなかったなぁ」とちょっと時間のあった夜(というか仕事する気力がなくなった1日の夜^^;;)にやっと視聴。
(画像:Netflixより引用)
Netflixでも今は無料で視聴できるようですね。(Amazon Primeはこのブログを書いている時点では有料レンタルでした)
マイケル・ジャクソンを観ること、その音楽を聴くこと自体がかなり久しぶりでした。
2009年6月25日、当時私はアメリカの事業所に赴任していて、同僚の1人が「マイケルが死んだ!」と言い出したもんだからみんなテレビに釘付けになってニュースを観ていたことを思い出します。
7月から予定していた公演向けのリハーサルの模様を編集して映画化したのがこの「This is it」。
チケット販売から4時間で50公演分が売り切れになったというこのツアー。
せめてどんなパフォーマンスになったのかを伝えたいという制作側の思いもあっての映画化と聞いています。
この映画で印象的なのはやはり圧倒的なMJのパフォーマンス。
50歳になるというのに、若手の精鋭のダンサーたちに負けないダンスと、同時に健在だったボーイソプラノの音程を出し、息を切らさずに歌と踊りをこなしている。
ダンサーたちは、自分たちが子供のときからMJはスーパースターであこがれで、その人と一緒にステージに立っていること自体に感激している。
ダンサーたちは鍛えていることがよくわかるくらい、筋肉隆々ですが、MJはそう見えないところも驚き。
下半身なんて、筋肉ついてんの?というくらい細いし、ダンサーの方がしっかりした脚をしている。
それでもダントツのパフォーマンス。。。
努力だけでは到達できない世界を感じさせます。
もう一つ印象的なのは総合プロデューサーであるオルテガ氏とMJとの会話。
オルテガ氏はMJに対し、とても大きな包容力で子供を包み込むように語りかけます。
「マイケル、君が好きなように決めたらいい。僕はなんでもサポートするよ」そんなメッセージが会話のすべてに盛り込まれています。
あるシーンで
オルテガ「今のがキューだ。何か思い違いをしているかな」
MJ「(中略)僕がキューを出すつもりだった」
オルテガ「(スタッフには)・・・と伝えていたんだ」
MJ「・・・したい」(オルテガは一つ一つ「OK」「OK」を相槌をうつ)
MJ「僕がキューをだす」
オルテガ「・・・は大丈夫かい?」
MJ「大丈夫」
オルテガ「OK」(そして次の展開の説明を始める)
決してMJを否定せず、MJの意見を全面的に受け入れてそれに寄り添った提案や問題提起をしています。
オルテガ氏としては、MJの頭の中に出来上がっているイメージを出してスタッフに伝えることが自分の役割、と割り切っているかのよう。
相手の言葉が自分の意向に沿わないとき、「それは違う」とすぐに否定せず「そうだね」と一旦肯定して、「それでこれはどうだい?」と違う視点やさらなる広がった視点で返すコミュニケーションは、アメリカ独特のイメージでもあります。
これはある程度モノカルチャー的だった日本と、移民で成り立っていてダイバーシティーが不可欠なアメリカという国の成り立ちの違いが背景の一つかな、と勝手に解釈しています。
このコミュニケーションスタイルはとても学ぶところが多く、相手の自尊心を傷つけずに新しい展開を生み出す可能性があることと、自分の意向をおしつけるという傲慢な姿勢を防ぐことができます。
それにしてもマイケル・ジャクソン、稀代の天才と改めて感じさせる作品です。
51歳を目前に早逝したのは、エンターテイメントとしてはなんとも残念でした。