48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

グレート・リセット

先日NHKプラスで視聴したNHKスペシャルの特集タイトルです。

 

世界経済フォーラム(WEF)が開催するダボス会議の2021年のテーマでもあります。

 

今まで当たり前であってシステムを一旦リセットして再スタートさせようという考え方。

 

ダボス会議はウィズコロナ、アフターコロナの政治・経済システムが議題の中心のようですが、NHKスペシャルでは「環境問題」についてのグレート・リセットを取り上げていました。

 

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(画像:NHKプラスより引用)

 

問題提起は以下の通りです。

現在年間400億トン排出されている二酸化炭素が、あと5,000億トン排出されると、温度上昇が止められないという後戻りできない気候変動が起きてしまう

(国連の気候変動に関する政府間パネルIPCC)第6次報告書より)

 

地球温暖化が進むとアマゾンを含め世界の植物が減少し、二酸化炭素を消費する量が減ってしまいますます二酸化炭素が溜まることになります。

 

そしてさらに温度が上がってグリーンランドや南極と行った土地を覆っていた氷が溶け出し、地中に埋まっていたメタンガスが放出されるようになります。

 

メタンガスは二酸化炭素の20倍温室効果があり、さらに温暖化が加速します。

 

これが「後戻りできない」温暖化、と言われる所以です。

 

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(画像:NHKプラスより引用)

 

こちらが炭素系エネルギー源の消費量の推移です。

 

1950年を過ぎたところから急激に上昇しています。

 

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(画像:NHKプラスより引用)

 

そしてこちらが世界平均気温の変化。

 

1950年くらいから上昇する速度がぐっと上がっていることがわかります。

 

目標は産業革命時と比較して1.5度以内、とのこと。

 

 

 

 

このような状況下で、世界がかつてない勢いで脱酸素社会をめざして「グレート・リセット」を図り始めていることをこの番組で紹介しています。

 

トランプ政権時代は環境問題に背をむけていた米国は、コロナの感染拡大によって減少したシェールガスの採掘量を増やさないという政府規制をしています。

 

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(画像:NHKプラスより引用)

 

このように米国ではすでに20%が再生可能エネルギーに転換されていて、この比率をあげようとしています。

 

世界最大の炭素系エネルギーの消費国で、しかも石炭に大きく依存している中国は、二酸化炭素排出量が石炭の半分と言われる液化天然ガスLNG)に一旦転換を図り、そこから太陽エネルギー、風力発電といった自然エネルギーに転換する政策を進めています。

 

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(画像:NHKプラスより引用)

 

中国政府によると2030年から二酸化炭素排出量の減少に転じて2060年にほぼゼロに達することを目指しています。

 

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(画像:NHKプラスより引用)

 

現在は炭素系エネルギーが8割を超えていますが、これを80%以上にすることが目標とのこと。

 

中国内地では山手線の内側くらいの面積をもつ太陽光発電所を建設したり、政府もかなり本腰をいれていることが伺われます。

 

中国では停電が数時間にも渡るなど、電力不足事情は深刻でこの状況を打破するためにもこのエネルギー源確保は真剣ではないかと想定します。

 

日本もCOP26で「ここ10年が勝負」という見解を示しました。

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(画像:NHKプラスより引用)

 

このように2030年までに2013年比46%削減が目標です。

 

ただ中国が2030年には100億トンにも達する排出量ですが、日本はその2030年で8億トンと1/10以下のレベルであることには目を向けていいのでは思います。

 

日本のエネルギー源の構成は、2030年に脱酸素60%が目標。

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(画像:NHKプラスより引用)

 

ただここには原発が20%含まれる前提になっているのは、議論の余地がありそうです。

 

というのも、原発への信頼が落ちて脱原発を目指したい世論がある一方で、太陽エネルギーや風力発電の施設を建設する土地が少ないという課題があるらしい。

 

 

 

 

世界で環境問題をリードしている欧州の中でもリーダー格はフランスで、市民活動レベルで脱炭素社会についての施策提言が大統領まで届き、実際にその活動が実現されてきています。

 

炭素排出量の多い航空機に植物油を原料とした燃料を開発したり、パリから国内近郊への飛行便を廃止し、一旦廃止された夜行列車を復活させました。

 

現在事業の99%を石油が占めていて、16兆円企業の世界大手トタルエナジーズも脱炭素系にむけて石油依存からの脱却を宣言しました。

 

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以前このブログでも紹介した交通機関ごとの二酸化炭素排出量の比較。

 

もちろん、満員かガラガラかで全然この値は変わってくるのですが、ポテンシャルとしては鉄道は有力な手段であることがわかります。

 

22カ国70人の専門家が、今後30年間で削減できるポテンシャルについて試算しランキングをつけました。

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(画像:NHKプラスより引用)

 

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(画像:NHKプラスより引用)

 

エアコンや冷蔵庫といった冷却装置に使われる冷媒が最も大きい数値ですね。

 

ここで注目は3位「食品ロス」と4位「植物性食品への転換」です。

 

食品ロスは日本でも大きな問題になっています。

 

植物性食品の優位性は、肉の元となる家畜はたくさんのメタンガスを排出するというのが大きな理由のようです。

 

フランスの学校では子どもたちの親が提案し、週に1回脱肉食のメニューを給食にとりこんだそうです。

 

一方で、削減対象となる当事者石油産業などからは「温暖化対策は賛成だが、急激な変化は困る」という声もでていて、そういった声もとりあげています。

 

 

 

現状、世界の動向、そして足元での活動と幅広い視点で環境問題をこの番組は取り上げていて、とても学ぶことが多かったです。

 

私個人としては、環境問題対策として夜行列車の復活があると嬉しいなぁ(^^)

 

個人の活動としては、「車を保有しない」「できるだけ公共交通機関を利用する」「食品ロスを出さない」「節電をする」といったできるところから取り組んでいこうと思っています。

 

1人1人の量は大したことないですが、塵も積もれば山となる(^^)

 

いろいろ調べるとエアコン1時間稼働は、0.3gくらい二酸化炭素の排出量に相当するようです。

 

1日平均1時間で1年間に0.3g x 365日=114g

世界70億人いる中で1億世帯で実施すると114gx1億人=1.1万トン

 

億トンの単位には及びませんが、じみ〜に効いてくるんですよね(^^)