48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

映画鑑賞〜「時の面影」

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(画像:Netflixより引用)

 

今回観たのはイギリスの著名な遺跡サットン・フーの発掘を巡る実話を題材に描いたNetflixオリジナルのヒューマンドラマ「時の面影」。

 

舞台はイギリスのサフォーク州。

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サフォーク州はこちらにあります。

 

未亡人エディスは自分の所有する土地にある墳墓の発掘を経験豊かなバジル・ブラウンに依頼します。

 

実際に発掘してみると、当時の考古学の常識を覆す大発見であることが判明します。

 

しかし、そういう名誉や利権にはいつの時代にも権力者が横取りをしようとやってきます。

 

地元の博物館に大英博物館をバックにした教授など。

 

そんな泥臭い人間関係に加えて、命限りあるエディスとその息子ロバート、そしてバジル・ブラウンとその妻、応援にきたエディスのいとこロニーと、若き考古学者ペギーなど、たくさんの人間同士の会話が描かれた作品です。

 

先日若い頃は歴史に興味がもてなかったのに、おとなになってから興味を持ち始めたことをお話しました。

 

実は考古学もさほど詳しくないのですが、この作品をみてなにか心惹かれるものを感じました。

 

途中、バジルがせっかく発見した発掘物を大英博物館をバックにした教授がその功績を横取りしようとし、腐ったバジルが発掘現場から逃げて家に帰ってしまいます。

 

その時、発掘の間留守を守っていた妻メイがバジルにいいます。

 

発掘は過去や現在でなく未来のためなんでしょ。

次の時代にルーツを伝えるのよね。

未来の人と祖先をつなげる仕事でしょ。

だから戦争が近づいても土を掘り続ける。

意義があるから。

戦争より永劫の価値があるから。

 

と諭す場面があります。

 

これ、みちゃみちゃ素晴らしいセリフだと思いました。

 

英語ではこう言っています。

 

You always told me your work isn't about the past or even the present.

It's for the future.

So that the next generations can know where they came from.

The line that joins them to their forebears.

Isn't that what you always say?

Why else would the lot of you be playing in the dirt while the rest of the country prepares for the war?

Because that means something innit?

(innitは「だよね」と同調を求める言葉)

 

考古学の存在をこの言葉で遅まきながら気付かされた思いです。

 

妻メイに諭されたバジルは再び現場に戻ります。

 

そして後日、母エディスの体調を見かねた息子ロバートにバジルが諭します。

 

ロバート:母さんが病気なのに何もできない。治してあげなきゃいけないのに。

(中略:泣きながら)父さんが死んで(父親は大佐でロバートが生まれた直後に死亡)僕が母さんを助ける役なのに、僕には無理だ。できなかった。

 

バジル:ロバート、それが人間だ。毎日失敗する。できないことだったある、どんなに頑張ってもね。

 

頑張りすぎている人に送りたい言葉です。

 

英語ではこういっていました。

 

Robert : I know she's sick. I know it! There's nothing I can do. Why is there nothing I can do?I should be able to make her better.

(中略) When my father died, everyone said I had to look after my mother. And I failed. I failed.

 

Basil : Robert, we all failed. Every day. There are some things we just can't succeed at no matter how hard we try.

 

小学校に上がったばかりくらいの男の子が I failed!と泣きじゃくっていたら、You didn't failed. Don't worry!なんて言いたくなっちゃいますが、ここが違うんですね。。。

 

ほんの一部ですが、いろいろな人間関係が丁寧に描かれていている作品だと感じました。

 

本作品はジョン・プレストンの「The Dig」が原作となっていて、途中から登場するペギーという女性はこのプレストンの叔母にあたるそうです。

 

なお、バジル・ブラウンを演じたレイフ・ファインズは、この映画の舞台となったサフォーク州のイプスウィッチ出身で、「ハリー・ポッター」シリーズではヴォルデモートを演じていました。

 

主演エディスを演じたキャリー・ハンナ・マリガンの演技は見事ですね。

 

ネットではしょこたんこと中川翔子さんに似ていると思われる雰囲気の画像があふれているだけに、この役を演じきったのはすごい演技力だと思います。