(画像:Amazon DVDパッケージより引用)
今回観た映画はこちら、「裏切りのサーカス」。
たまたまSNSでコリン・ファースの名前をみかけて、「あれ?この人前に見たことあるなぁ」と思って検索したらこの映画にヒットしたんですが、実は前に1度観たことがあったはずなんですよね。
でもほとんど内容を覚えていない^^;;
シャーロックで有名なカンバーバッチが脇役で出ていて、スパイ映画でカンバーバッチの役がキレて同僚に殴りかかるシーンを覚えています。
先日夜中に帰宅したのですが、どうにも気になって日は朝の予定がなかったので、深夜の映画鑑賞となりました(^^)
この映画は結構難解で、一度観ただけでは味わえるポイントをたくさんのがしてしまうようです。
むしろ予めストーリーを知ってから観る方が結構たのしめるのではないかと思います。
なので、今回はいつもとは異なりネタバレでお話します。
ジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)はイギリス秘密情報部、通称サーカスの幹部。
サーカスの長官コントロール(ジョン・ハート)は自らの作戦がことごとく失敗したことで、組織内部に「二重スパイ(もぐら)」がいると確信。
密かにマザー・グースの「鋳掛け屋さん、仕立て屋さん、兵隊さん」の歌詞になぞらえたコードで幹部たちの身辺を探ろうと試みます。
サーカス幹部は、長官のコントロール、右腕のスマイリーの他に、「テイラー(仕立て屋)」というコードネームをあてたビル・ヘイドン(コリン・ファース)、「ソルジャー(兵隊)」というコードネームをあてたロイ・ブランド(キアラン・ハインズ)、「プアマン(貧乏人)」というコードネームをあてたトビー・エスタヘイス(デヴィッド・デンシック)、「ティンカー(鋳掛け屋)」というコードネームをあてたパーシー・アレリン(トビー・ジョーンズ)。
「もぐら」に関する情報源と接触するため、サーカスのジム・プリドー(マーク・ストロング)をハンガリーに送り込むも作戦は失敗。責任をとってコントロールと彼の右腕であったジョージ・スマイリーは引退を余儀なくされる。
引退してコントロールは病院で死亡(このシーンがほんのわずかしか描写されていません)。
イスタンブールに派遣されていたリッキー・ター(トム・ハーディ)が「もぐら」の正体を知っているという女性イリーナと出会い恋仲に落ち、情報交換とともに亡命を希望する彼女を助けるべくオリバー・レイコン外務次官(サイモン・マクバーニー)にタレコミをします。
オリバーは一度引退したスマイリーに「もぐら」の調査を依頼、リッキーの上司でもありサーカスの中堅幹部ピーター・ギラム(ベネディクト・カンバーバッチ)と一緒に極秘に調査に乗り出します。
「もぐら」はモスクワセンター幹部カーラ(全く登場しない)による策略である可能性が高いことがわかります。かつてスマイリーが寝返り工作を試みたことがあり、そのときにスマイリーが妻が弱点であることを伝えてしまっています。
スマイリーの妻は奔放でいろいろな男と遊び歩いている模様。
スマイリーが自宅でじっと眺めている絵は不倫相手からの贈り物だし、封筒をあけて暗い表情をするのは、妻が不倫相手と遊んだときのクレジットの請求書だったりして、なかなかシュールです。
このあたりは小説には書かれているようですが、映画では知らないとわかりません。冒頭のシーンにあるのでなおさら(^^)
また「テイラー(仕立て屋)」ビルはスマイリーの妻と不倫関係を持っている1人で、なおかつハンガリーに送られたジムとも同性愛関係にあるらしい。
同性愛関係にあるのは映画だけではなかなか感じ取れませんが、ラストシーンを観るとその背景によって描かれたシーンなのかな、とわかります。
ちなみに、ピーターも身辺整理をするときに同棲していた男性と離別するシーンがあり同性愛者であることが伺えます。
イギリスはベネディクト・カンバーバッチ主演映画「イミテーション・ゲーム」でも描かれているように、同性愛は法律で戦後まで禁じられていた国でした。同性愛者だった天才アラン・チューリングは非業の死をとげます。
この映画は同性愛、不倫といった関係が事件の鍵も握っているため、こういった人間関係をおさえておくとわかりやすいです。
映画では暴力的シーンは少ないのですが、一部残虐な殺された方をしたエージェントの姿が描写されますので、気になる方は注意してください。
キャスティングはかなり豪華ですね。
主役級のベネディクト・カンバーバッチが完全な脇役です(^^)
ちなみにベネディクト・カンバーバッチとジム役のマーク・ストロングは先程でた「イメテーション・ゲーム」でも共演しています。このときはカンバーバッチが主人公のアラン・チューリングで、マークはアランを影で支えるミンギス大佐を演じています。
ビル役のコリン・ファースはブリジット・ジョーンズの日記、マンマミーヤ、英国王のスピーチなどでも活躍してますね。
トビー・ジョーンズも悪役でテレビや映画によく出ていますね。「奇蹟の数式」では珍しく主人公を応援する学者という役柄でした。
この記事は映画の細かい背景について解説してくれている記事です。
http://www.rsch.tuis.ac.jp/~ito/research/TTSS_description/TTSS_description.htm
完全なネタバレですので、そこをご承知の上御覧ください(^^)
私はこういった背景を含んだ上でもう一度観てみようかと思います。