(画像;映画「セッション」公式サイトより引用)
今回観た映画はこちら、「セッション」。
2014年アメリカで製作され、第87回アカデミー賞に5部門ノミネートされ、そのうちJ・K・シモンズが助演男優賞を、他に録音賞、編集賞の合わせて3部門を受賞した作品です。
先週までジョン・カーニー監督作品をお届けてしていましたが、このブログを観た知人から「セッションという映画、いいよ」と教えてもらいAmazon Primeでレンタルして視聴したものです。
主演はマイルズ・テラーで、マイルズ演じるアンドリュー・ニーマンを指導する教官テレンス・フィッシャーにJ・K・シモンズ、アンドリューの父親ジム・ニーマンをポール・ライザーが演じています。
ジョン・カーニー監督作品もこのセッションも同じ音楽が舞台となっているのは共通ですが、作風は真逆といっていいくらい異なる、というのが私の印象です。
ジョン・カーニー監督作品は、「多様な人達を受容する世界としての音楽」が描かれているのに対し、このセッションは「究極のプロフェッショナルを目指す壮絶な世界としての音楽」が描かれています。
使われるセリフは、戦争映画のような結構下品な言葉が少なくありません。
Fワード連発です^^;;
しかしストーリーは単純ではなく、最後まで展開に変化が見られます。
映画の始まりはパズルのピースが散らばっている感じであまり全体のイメージがつかめない印象ですが、段々とストーリーが進んでいくと最初バラバラだったパズルがどんどんつながってきます。
この映画の魅力の1つは、マイルズ・テラーとJ・K・シモンズの迫力ある演技ですね。
マイルズ・テラーの見事なドラムスティックさばきと感情の出し入れの表現、J・K・シモンズの文字通り鬼気迫る鬼教官ぶりが圧巻です。
今の世の中ならパワハラで秒殺でクビになるであろうこの教官ですが、私が学生の頃の運動部では当たり前の光景だったかもしれません^^;;
「世の中が甘くなったからジャズは腐ってきた」とバッサリ切り捨てるフィッシャー教官。
英語で最も危険な”2語”は「good job(上出来)」だという(^^)
There are no two words in English language more harmful than "good job".
と言ってたように聴こえました。
いや〜強烈です。
そして映画のもう1つの魅力は、アンドリューとフィッシャーとの距離感の変化。
フィッシャーがアンドリューを持ち上げたかと思えば、叩き落としたり、アンドリューがフィッシャーについていこうという気持ちになったり、離れたり。
これが物語の最後までブランコのように行ったり来たりするので、ストーリー展開が刺激的です。
決して心温まる映画、とは言い難いですが、私はとても人間臭さがあって、心の”素”の部分が見え隠れする描写が多いことから、比較的好きな作品だと感じました。
出演者についてですが、アカデミー賞助演男優賞を受賞したフィッシャー役のJ・K・シモンズですが、スパイダーマンのJ・ジョナ・ジェイムソン役で有名だそうです。(私はスパイダーマンを観たことがない^^;;)
加えて実はズートピアのライオンハート市長の声役でもあったそうな。
それからアンドリューの父親役であったポール・ライザーは、「あなたにムチュー(原題Mad about you)」というテレビドラマで、ヘレン・ハントと一緒に夫婦役で主役を演じていました。あ〜懐かしい!
(Mad about youのDVDをアメリカで買って持って帰ってきたくらいです)
ちなみにMad about youの次にあのFriends(フレンズ)が放映されます。Mad about youで喫茶店のウエイトレス”アースラ”役だったリサ・クドローは次の作品Friendsで”フィービー”という主役の1人に抜擢され、しかもこの”アースラ”と”フィービー”は双子姉妹という設定で、アースラはFriendsにも出てきます。
あとビバリーヒルズ・コップではエディーマーフィー演じるアクセル刑事の同僚ジェフリー刑事役でも出演しています。
主演のマイルズ・テラーですが、Wikipediaによると「テラーはジャズドラマーを演じるため、2か月間、一日に3~4時間ジャズドラムの練習を続け、撮影で自ら演奏しており、作中の手からの出血はマイルズ本人のものである」とのこと。
いや〜、それはすごい!!映画を観るとわかりますが、演奏はプロ級です!
ハリウッドの役者根性を見せられた気がします。
激しい言葉使い、荒々しい演出など、刺激が大きい作品ではありますが、見ごたえのあるいい作品でした。