(画像:TBSチャンネルのホームページより引用)
最近の映画鑑賞ではめずらしく邦画。
先日読んだ小説「のぼうの城」がNetflixでフリーで公開されていたので、観てしまいました。ちなみにAmazon Primeではこの時点ではまだレンタルが有料でした。
時間にして2時間半。小説を読んでいたので展開は知っていたけれど、十分楽しめた映画でした。
この映画はナレーションでTBSアナウンサーの安住紳一郎さんが担当しているように、TBSテレビが制作としてかかわっています。
まず驚いたのはキャスティングの妙。
実は主人公成田長親を野村萬斎が演じているのは、原作のイメージとちょっと離れていたのですが、他の役者は見事にイメージ通りの配役でした。
勇猛ながらも猪突猛進タイプの和泉を山口智充。
戦未経験ながらも生意気な武将酒巻を成宮寛貴。
百姓の中心的な人物でもある”たへい”を前田吟。
”かぞう”の妻”ちよ”を尾野真千子。
”ちよ”と”かぞう”の娘”ちどり”を芦田愛菜。(かわいかった(^^))
和尚を夏八木勲。
どれも小説のイメージにぴったりなんですね。
そして野村萬斎だけ違和感あったのですが、石田三成の陣の前で田楽を踊るシーンではさすが狂言師だけあって、これは野村萬斎でないと表現できないな、と思い直すに至りました。
成田長親のキャスティングとしてイメージしたのは、嶋田久作がぽっちゃりした感じでしょうか。顔ながで表情がなく大きな体格、という見た目だけですけどね。
ただ、のぼうの城という小説では、成田長親が死を覚悟して敵陣前で田楽を踊るシーンは、とても重要なシーンなので、「踊る」プロである野村萬斎という配役も確かにありだなあ、と思いました。
この映画、小説に実に忠実に制作されていました。
唯一酒巻靱負(さかまきゆきえ)が忍城(おしじょう)を守る担当が、小説では石田三成が攻めてくる門を守る役割だったのが、映画では遊軍となっていることくらいでしょうか。
使われているセリフも小説で出てきたものをそのまま使っているところが多くあり、小説を読んだ後だと、「あ〜、そういってたいってた」と思い出しながら見ることができます。
原作がいいと、それに忠実な制作をした映画はやはり面白いですね。