48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

読後感想〜なぜ気づいたらドトールを選んでしまうか?

 

今回読んだ本はこちら。

 

なぜこの本を選んだかは特に理由はなく、バス移動するときに車内で読む本はないだろうか、と思ったのですがいつも利用する図書館が臨時休館だったため、MBAシェアハウスにある書庫で読んだことがない本を探していたらふと目に止まったからです。

 

MBAシェアハウスの書庫には私が寄贈した本だけでなく、ハウスメイトから寄贈された本もあるので、私が読んだことがない本もたくさんあります。

 

全部で220ページほどの本です。

 

著者がドトールコーヒーの2代目社長を中心にドトールの現在の幹部数名にインタビューをして、ドトールコーヒーの現在の発展を築き上げた要因というものを著者なりの視点でまとめあげたものです。

 

内容としては、「まあそうなんだろうな」ということが綺麗にまとめられていて、「カンブリア宮殿」とか「ガイアの夜明け」といったテレビ番組を観ているような感じです。

 

事業の成功体験を楽しみたい人には軽く読めることもあり、読みやすい本ではないかと思います。

 

個人的には、成功体験を語られるだけでは物足りないので(笑)ちょっと物足りなかったかな。

 

直前に「リーマン・ショック・コンフィデンシャル」をいう大作を読んだばかりだったこともあるかもしれません。

 

だいたい上手くいったことというのは、活動全体のなかでは実は氷山の一角であることが多く、いい結果がでるまえにどろどろの試行錯誤や失敗や悩みなど”負”の部分がたくさんあって、それらがあるからこその結果で、私はむしろそちらの方に興味があるので、「〜〜がうまくいった秘訣です」とさらっと言われても、関心がわかないんですね(^^)

 

しかも、1つの完結型のプロジェクトであれば、「うまくいった」という結果を評価できますが、会社の活動は活動している限り、いろいろな結果を生み出していくわけで、今がうまくいっていても明日には倒産(まさにリーマン・ブラザーズみたいな)なんていうこともあって、評価をすること自体無理があるという印象をもっています。

 

著者が本書でコーヒーやフードをことさら「特別に美味しい」というような表現を多用していて、「そんないうほどでもなぁ」とちょっと後ずさりする気分になってしまうのも、私の好みではないところでした。

 

創業者はたしかにスーパーマンだったと思われるのですが、神格化されている雰囲気を感じて、そのあたりもちょっと抵抗感がありました。

 

もっとコーヒーの味を見つけるまでのどろどろした展開、とか、食器へこだわるがゆえのたくさんのつまづきなどをもっと紹介してくれたら、なにかもっと親近感を感じられたのかなぁ、なんて思いました。

 

 

 

本書が発売されたのは2015年、この時はすでにドトールコーヒーはスパゲッティの「洋麺屋五右衛門」「星乃珈琲」などを展開していた日本レストランと経営統合をし、ホールディング会社の傘下となって(2007年)、上場を廃止しています。

 

また本発売の2年後の2017年には、創業者の息子でこの本のインタビューの中心であった鳥羽豊氏はドトールコーヒーの社長を退任し、年上のドトールコーヒーの役員に職を譲っています。

 

ホールディングスの会社は統合当時は日レス、ドトール創業家両者が舵取りをしていましたが、半年後に両者とも退任。ですが、ドトール側はいなくなり、日レス側の創業家は会長職に復帰したことから、日レスの影響が大きくなったように感じられます。

 

 

 

会社の成長は、一朝一夕でもなく、順風満帆でもなく、たくさんの壁と対峙して乗り越える経験をして得られるものなので、あまりきれいにまとめてしまうのは、ちょっともったいない気がします。