父が膵臓がんの摘出手術をうけて退院したことを先日お伝えしました。
父の回復はこちらが思うほど簡単ではない、という現実に直面し、今後の似たような境遇に向かい合う方にとって少しでも参考になれば、と思い、父、家族との向き合い方について時々投稿させていただきます。
父は生まれてこの方、痛風にかかった以外は大きな病気をしたことがなく、手術はおろか入院もしたことがありませんでした。水泳を始めいろいろなスポーツをこなして私が子供の頃には野球、卓球、テニス、水泳などいろいろなスポーツに付き合ってくれました(^^)
怪我ばかりしていた私によく「おまえは運動神経が鈍いな。」とよく皮肉を言われたものです(^^)
早期退職で会社を辞めた後は「これからは遊んで暮らすんだ」と、仕事からは一切手を引いて年金生活を楽しんでいました。
戦前生まれの人間にしては比較的多趣味だったと思われ、学生時代から楽しんでいた長唄や囲碁・将棋、60過ぎてから社交ダンス始めたり、合唱やったり、食べ歩きも好きでした。
そんな父が今は「何もやる気がしない」と。
一昨年初めて手術を受けたときは、記録を見ると
・退院:手術後ほぼ1ヶ月後
・歩くトレーニング:退院翌日に家の中を歩きはじめた
・外出:退院後1週間で近くの土手にでかけた
という回復をみせ、半年後には母と一緒に温泉旅行にでかけられるようになっていました。
今回は
・手術後ほぼ1ヶ月
・歩くトレーニング:退院2週間経つがまだ。
「ここは地獄だ」とずっといっていた病院に入院中はもう少し歩いていたんですが、退院したらトイレと食事以外はほとんど歩こうとしない。
父の気持ちが「これから良くなろう」という方向に向かわないのが今の課題です。
手術前に興味をもっていたことに全然関心を寄せないので、食べるかトイレにいくか寝てるか。
ここで考える。なぜ気持ちがあがらないんだろう。
・膵臓を全部摘出した直後は身体がかなりきついのかも
・老人性(あるいは術後)うつがでているのかも
・認知機能が低下してきたのかも
・ただのわがままなのかも
・今まで丈夫と思っていたのでこの状況にあることにショックをうけているのかも
・これからどうなるか不安に襲われて自分をコントロールできないのかも
・これらの混合?
父の反応をみているとどれも考えられそうなので、なんとも対応の仕方が難しい。
ここで「歩くトレーニングしないと治らないよ」とか「また入院することになるよ」とか「〇〇しないとこんな嫌なことがあるよ」という叱咤は、原因によっては逆効果になる恐れがあるので、今やるのはよろしくない。「できたことを褒めて気分をあげよう」と母とは話しています。
元気なくぼーっとしているだけではなく、食事がおいしいと笑顔で反応することもあれば、気に食わないことで母に怒鳴りつけることもあったり、気分そのものも不安定です。
父の回復は本人にとっても面倒みている母にとってもいい方向なはずなので、どうやって回復に向けて気持ちをあげさせるか。
父の振る舞いに時々「カチン」と来るときがあるのですが、これで反応することはきっと何一ついいことないでしょうね。
ふと思ったのですが、「カチン」ときてその怒りの気持ちをぶつけるときって、「自分の思い通り(期待通り、想定通り)にならないことの苛立ちを相手にぶつけているだけ」というケースが結構多いんじゃないか、と。
実はただの「八つ当たり」。
こちらがカチンとくる行動をとるのはそれはそれなりに理由や背景があるはずで、結果である行動にではなく、原因である理由や背景に目を向けるのが筋、と考えると当てはまるケースが少なくないように感じられます。
少なくとも私はいつ頃からか忘れましたがそう思うことで、カチンときてもすぐに行動に出ることがだいぶ減り、結果的にそれでよかったと後で胸をなでおろすことが多かったです。
なので父に対しても、仮になにかあったとしてもぐっとこらえてみよう。
そんなときに先日父が母に八つ当たりしたらしく、その場にいた妹がブチ切れた、と妹からLINEがきました(笑)ま、これも家族、かな。
いろいろ勉強になりますな・・・