48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

岩波100冊プロジェクト(8)〜アラン 幸福論

 

 

岩波100冊プロジェクトで今回選んだのはこちら、「アラン幸福論」。

 

「幸福論」といえば、アラン、ヒルティ、ラッセルなどが書いていて、彼らの「幸福論」を「三大幸福論」という人もいるといいます。

 

たまたまシェアハウスの書庫にあったのがアラン著の「幸福論」だったのでこちらを読んでみました。

 

1925年著作と少々古く、かつ岩波文庫だからどれくらい読みにくいのかと覚悟していたのですが、翻訳がいいのか読みやすくていい意味で裏切られました(^^)

 

著者アラン。本名エミール。シャルティエで1968年、現在のフランスノルマンディー地域で生まれました。

 

1906年から1936年まで毎日新聞に便箋で1枚2ページの長さで「プロポ(哲学断章)」を書いていました。

 

プロポとはアランの作り出した文学形式で、書きたい日も書きたくない日もとにかく毎日プロポを書いたそうです。

 

実際本書では文庫本で2〜3ページの長さで93ものプロボが収納されています。

 

どれも文末には日付が書いてありその順序はまちまちです。

 

そして本書は目次がなく、巻末に「プロボ一覧」として実質の目次が掲載されています。

 

その内容はエッセイのようで、その文章はなにかリズムのようなものがあり、なにか詩を思い起こさせるようでもあります。そして今の社会でも十分通じる感覚で、それがシニカルな視点と言葉で表現されていて、なんとも味わい深い(^^)

 

このレベルの内容を30年も毎日書いていたというから驚きです。

 

私も2014年に起業してからブログを書き始め、最初はポツポツと投稿していましたが、2016年4月くらいから連続投稿が続いて、やっと7年、2,533日です。

 

投稿し始めた当初の内容も書き方も今とは全然違っていてそれはそれで面白いのですが、現在に至ってもアランのような味わい深さには遠く及びません^^;;

 

普段からの観察と考察、透察、そして培われている視点と視座といういわゆる総合力なんでしょうね。まだまだ修行が足りませぬ(^^)

 

 

 

解説によると「本書は”幸福論”ではない。アランは論じていない。原題にあるように”幸福についてのプロポ”である」ということらしい。

 

確かに「これが幸福だ」ということは書いていませんが、アランは「これって幸福なのかな」「こんなときの幸福ってどういうことだろう」と常に語りかけているように私には感じます。

 

共感するところがたくさんあり、一方で「どういうことだろう」と考えさせられることもたくさんあります。

 

93日かけて1日1プロボのペースで1日10〜20分ほど「幸福」について考えてみるのもいいかもしれません。

 

 

岩波100冊プロジェクトリスト

1 風姿花伝 青1-1

2 大地(一) 赤320-1

3 大地(二) 赤320-2

4 大地(三) 赤320-3

5 大地(四) 赤320-4

6 方丈記 黄100-1

7 生物から見た世界 青943−1

8 アラン 幸福論 青656−2