NHKの番組「FRONTIER」で先日取り上げたお題は「クジラ」。
(画像:NHKホームページより引用)
タイトルは「砂漠のクジラ」。
砂漠でクジラ?
そう、砂漠でクジラの祖先の化石がたくさん発見されているんですね。地中海南部のアフリカ側エジプトの砂漠です。
時代は4,300万年前。
地球上では6,600万年前に隕石の衝突によってそれまで地球を支配していた恐竜が死滅。
それ以降は徐々に哺乳類が勢力を伸ばしていきます。
DNAなど調査を進めると、この化石はクジラの祖先である可能性が極めて高い、という結論になったそうです。
このクジラの祖先の化石。何が驚くかといえば、「後ろ足」がある、ということ。
クジラに後ろ足?!
この番組では砂漠で見つかったクジラの祖先の化石をきっかけに、クジラがどういう進化をしてきたか、という学説を紹介してくれています。
まず驚くのがクジラに近い動物がなにか、ということ。
実は、かば、なんです。。。(すみません、ネタバレで)
ということは、もしかしたらクジラの祖先は陸上で歩いていたかも・・・
そうなんです、実は5,000万年前にいた”パキケタス”という生き物は普段は陸上で暮らしているのですが、水中を泳ぐこともできたそうです。今のカバのような生活だったらしいです。
そこから進化して4,000万年前になると”バシロサウルス”という水中で生活する哺乳類が誕生します。これが”パキケタス”から進化したクジラの祖先。
そして、砂漠で見つかった化石は、その顎の骨から推測すると大型の肉食動物だったようで、当時の動物たちにとっては死神のようなもので、死神を意味する”アヌビス”と名付けられました。
これが”パキケタス”と”バシロサウルス”の間に存在した動物らしいです。
骨の分析をするときに大事なポイントの一つが「鼻の穴の位置」。
陸上で暮らしていた”パキケタス”は、今のカバのように鼻の穴は先端にあるのですが、今のクジラは頭の上です。
水中での生活時間が長くなるにつれ、鼻の穴の位置が先端から頭の上に移動してきた、というのです。
骨をみると、まさに”パキケタス”→”アヌビス”→”バシロサウルス”とだんだんと先端から頭に位置が移動している。
いや〜、骨からいろいろなことがわかるんですね。学者によると、骨は情報の宝庫だそうです。
実は今のクジラも体内に昔骨盤だった名残の骨があるんだそうです。とっても小さいですけどね。
”バシロサウルス”まできたクジラ史ですが、ここからクジラに至る進化の過程は、現時点では全くの不明らしい。研究が及びんでいないんだそう。
今のクジラは、シャチやイルカ、マッコウクジラのような肉食の「ハクジラ」系統と、シロナガスクジラ、ザトウクジラ、ヒゲクジラのようなプランクトンあるいは小魚を主食とする「ヒゲクジラ」系統に分かれるんだそうですが、いつどうして分かれたのかはまだ謎なんだとか。
自然科学の研究って、大変なんだろうけどすごいなぁ、なんて今更ですが感激していました(^^)