48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

読書会〜なぜ働いていると本が読めなくなるのか

 

今回の読書会の課題図書はこちら。

 

そう、先日「休日」のコラムで触れた一冊です。

www.almater.jp

 

読書が大好きだった1人の女性が、就職した後に本を読んでいないことに気づくところから本書は始まります。

 

本が読めないのは「時間がない」からではない。

 

なぜならスマホやる時間はあるから。

 

時間があるのに大好きな本に手が伸びない。このパラドックスに著者が向き合うと、「労働」と「階級」というキーワードが浮かび上がります。

 

「労働」とか「階級」とかという単語が続くと、「共産主義」じゃねえか、みたいな先入観を持つ人が少なくないかもしれません。

 

全然違います。

 

そもそも著者は「労働」や「階級」がいいとかわるいとか、1ミリも言っていません(^^)そんなことを言いたいんじゃなくって、「実際にそういう世界の中で多くの人々は暮らしていたんじゃないか」という「描写」なところが、いい立ち位置にいます。

 

そして、その分析とわかり易い表現による言語化がなかなか秀逸。

 

さすが読書好き。

 

ときは明治時代に遡ります。それは「自分の好きな本を読めるようになったのが明治時代から」なんだそうです。

 

明治〜大正〜昭和戦前・戦中〜昭和戦後復興〜高度経済成長〜バブル〜平成〜令和とそれぞれの時代における社会を、「読書」という視点から紐解いています。

 

1970年代からは10年ごとに社会の変化を捉えています。

 

生きるとはなんぞや。

 

社会はどんなふうに流れていたのか。

 

私は1980年代ころの話からかなり自分ごとと重なることが多くなってくるのですが、(1970年代はまだ子供でしたからね)「あ〜、俺ってこうだったかも」とフラッシュバックするところがたくさんでてきました。

 

 

 

私はもともと本を読まない子供でした。

 

もしかしたら小さい子供時代は本を読んでいたかもしれません。

 

小学生に入ってからは、学研が毎月出している「科学」と「学習」という雑誌、学研まんがの「ひみつしりーず」、唯一親から許可がでた漫画「どらえもん」くらいしか読んでいなかったと思います。

 

読んだかもしれないけど、ほとんど覚えていないか、脳の奥の方の錆びついた引き出しにしまわれていると思われます^^;;

 

中学生になって、読まないというか、むしろ嫌いだったかもしれません。国語の時間に紹介される課題図書はどれも面白く感じなかったことや野球やギターにうつつを抜かしていたからもしれません。

 

唯一「三国志」とか「水滸伝」といった吉川英治作品は好きでした。

 

これは高校、大学と続き、そのまま社会人になっても続きます。

 

転機になったのが30代なかば。管理職になったばかりのころ、同僚に「本読まないと勉強にならないよ」と諭され、いくつかの自己啓発書を手にしました。

 

退職する直前にかなりの書物を古本屋へ売却したので、だんだんと読書するようになったんでしょうね。ノンフィクションものや、実話を元にしたビジネス小説などが多かった気がします。

 

でも一時期本は読みたくなくて、漫画ばかり読んでいた時期がありました。ゴルゴ13とはこの時期に出会っています(笑)

 

退職後ビジネススクールに在学中にはビジネス書や自己啓発書が多くなりました。

 

起業してからはすっかりビジネス書や自己啓発書には見向きもしなくなりました。

 

今はハウスメイトが開催する定期的な読書会に参加するようになり、自分が普段まったく意識しない世界に触れる機会をもらっています。

 

この変遷、本書を読むと、「あ〜もしかして俺はこういう気持ちでいる、あるいはいたのかもしれない」と、自分の生き方を気づかせてくれるような感覚になりました。

 

 

 

 

明治の世になってから、人間社会を覗く窓はいろいろあります。

 

国民総生産や企業価値といった経済的指標、音楽、スポーツといった娯楽、ラジオ、テレビ、鉄道、飛行機といったハードウエアなどなど。

 

そんな窓の一つに「読書」という窓もあるんだな、ということをこの著者に教えてもらいました。

 

著者は本書の最後で、「幸せな生き方」ってな〜に、と問いかけています。「読書」という窓から見つめてみるのもいいな、と思います。

 

とても素敵な本でした(^^)