現在お仕事させていただいている職場の同僚に紹介してもらった本。
編著者の喜連川先生は、関わっているプロジェクトでも重鎮でいらっしゃる方(^^)どういう内容かはわからなったのですが、どんな論点があるのか、という視点を知るだけでも、と思いポチりました。
冒頭のプロローグにも記載されていますが、2023年9月14に開催された公開シンポジウム「生成AIの課題と今後」で講演された様々な分野で活躍する先生方の見解に加えて、新しい動きなどを追加したというものです。
3つの部、11の章で構成されています。
「生成AIの原理と課題」
「生成AIの利活用」
「生成AIと法」
という3つの部で、生成AIとはどういうもので、どんなことが心配されているか、そしてどのように活用されているのか、さらにルール作りはどこまできているのか、そういったククリで部が構成されています。
第一部の「原理と課題」では少し技術的な記述があるので、素人には読みづらいところはありますが、第二部の「利活用」では、漫画への活用とか、古典の読解など紹介されていて、イメージがしやすかったです。
第三部の「法」では著作権に対する考え方が中心でした。
以前にもこのブログでつぶやいたかもしれませんが、もう自分は最先端の技術にはついていけなくなって、昭和の化石となって生きていくんだろう、なんて思っていました。
しかし今のお仕事の機会をいただき、そんな”化石生活”は無理だろうなぁと認識を改めざるをえないなぁ、と気付かされました。
最近はこのような本やネットなどで勉強する時間が増えてきました。
先日もブログで書きましたが、生成AIは「計算が苦手」(^^)コンピューターとは思えない性格です(笑)
それはその仕組にあるから。
たくさんのデータを取り込んで”学習”して、ある文字の次にくる可能性の高い文字をもってくる、というのが動きの原理です。
”計算”ではないんです。
だから計算させようとすると、数字という”文字”のあとにくる確率が高い数字という”文字”をもってこようとするので、”計算”としては間違ってしまうことが生じてしまいます。
ChatGPT始め最近の生成AIは、日本語で会話しているような感覚になるくらいレベルがあがっていますが、決して文章の”意味”を理解しているわけではないんですね。
まだまだ私もにわか知識なので、表現や内容に誤りがあるかもしれません^^;;その時は長い目でご容赦いただければ。。。
私が関わらせていただいている医療DXでは、医療環境にAI、生成AIを取り込むことも研究されています。
そこにはまだまだたくさんの課題があります。
1 そもそも日本語で学習した大規模な基盤がまだない
2 経済安全保障の観点でデータを海外に持ち出したくない
3 個人情報保護法への準拠
4 倫理基準、知的財産基準がまだ確立されていない
5 事業化にむけての基盤が整っていない
できていない、ということは、これからやっていけばいいのですが、すでに海外が先行していることもあり、そのインフラが海外から導入されてしまうと、主導権を海外の国、企業に奪われてしまい、多くの権益を失ってしまう恐れがあるので、あまり悠長なことを言ってられない状況でもあります。
しかもその速度はとても早い。
日本は良くも悪しくも官僚主導で政策が進められるため、その運営や構築が海外のスピードに対抗できるのかどうか、も運営上の隠れた課題でもあると感じています。
もう2〜3年もすると、生成AI抜きの生活は考えられない、くらい生活に浸透してくるんじゃないか、というのが現時点での私の印象。
本書はそういう一面を勉強させてくれる本でした。