昨日、NHK番組フロンティアの「80億人 人類繁栄の秘密」について投稿しましたが、もうちょっとその中身に少し入り込みたいので続編です。
個人的に興味深かったのが、昨日も触れた「チンパンジーとボノボの違い」。
(画像:NHKフロンティアの番組をテレビ越しに撮影したもの)
ご覧にように、チンパンジーもボノボもヒトに極めて近い種で、DNAは98.4%同じらしい(番組において)。
チンパンジーは2匹同じ場所にいると、争いが起こり時には殺し合ってしまうらしい。
餌を確保し、ライバルであるゴリラに負けないために、生き残るためには「暴力」が必要だったから。
一方餌が十分だったボノボは、メスや子供に優しいオスが求められ、結果的に有効的なコミュニティーを形成することになった。
ボノボの間では殺し合いはないという。
それどころか、見知らぬ2匹のボノボを別々の檻にいれて、一方にだけ好物のフルーツをおいたら、フルーツをもらったボノボは境にあるドアの鍵をあけて、もう一匹のボノボを招きフルーツをわけあったのだ。
この実験や研究から、「えさの充足度」すなわち食事に困らないほどの富と、自分に危害を与える存在がないことが、有効的なコミュニティーを生む要素の一部であるかもしれないと想像される。
もう一つ面白い実験が、ギンギツネ。
檻に入って飼われているギンギツネは攻撃的で、近づくと威嚇をしてくる。ところが別の飼育所の檻に入っているギンギツネはヒトが近づくと喜び甘えてくる。
これはロシアの研究。
何が違うか。
ロシアの遺伝学者が選別をしたのだが、その判定方法はひとつだけ。
「手を差し伸べて近づいてくるもの」と「威嚇するもの」。
「近づいてくるもの」だけで繁殖を進めると、6世代目でヒトに甘え始め、16世代目には耳が垂れ下がるものや、犬のように尻尾が巻き上がるものがでてきた。
56世代目には人間の意思を理解しコミュニケーションが取れるようになったという。今の犬と同じである。
血液中に含まれている攻撃性を表すコルチゾールは、人に懐くギンギツネは通常の半分しかなかった。
一方有効性を表すセロトニンは増加していたという。
つまり、体の仕組みさえも変わってしまった。
先程のボノボとこの人に懐くギンギツネの共通は「友好的」であること。
この番組に登場して解説していた学者は、ヒト、すなわちホモ・サピエンスが繁栄したのは、この「友好的」であることを武器としてコミュニティーを育んできたからと分析していた。体力的にホモ・サピエンスより有利であったはずのネアンデルタール人が滅びたのは「友好的」でなかったからではないか、と。
確かにそういう面はあるかもしれない。
でも釈然としないのは、ホモ・サピエンス、すなわち我々ヒトにもやたらコルチゾールが高いヒトがそれなりにいる、ということ。
農耕を始めてからその領土を奪う、守るという行為によって争いが始まったと昔は訊いたことがあるが、最近の研究では狩猟時代でも人殺しはあったらしいとNHKの番組で行っていたような気する。
つまり、ヒトは昨日このブログでも話した「Universe25」の実験同様、集まれば傷つきあう一面も持ち合わせているような気がする。
でも「Universe25」のように”自然と”絶滅とはならない気がする。なぜなら本来「友好的」存在がMajorityと思われるから。(そう思いたい、といったほうが正しい(笑))
無頓着に格差を作っているのも、ヒトの命をなんとも思わない戦争屋も、ほんの一部のヒトだと思いたい。
子供の頃から喧嘩が苦手で、妹との兄妹喧嘩以外はとにかく喧嘩をしないように避けてきたためか、未だに喧嘩は苦手である。(でも怒ることはよくある(笑))
”勝ち残る”ということと縁遠いのはそのせいかなぁ。。。
いろいろと考えさせられる番組でした。^^;;
まとまりのない内容になってしまいました。。。