今回読んだのは、吉村昭著作の「桜田門外ノ変」上巻と下巻の2部作。
「桜田門外の変」は、当時の大老井伊直弼が元水戸藩士と1名の元薩摩藩士によって、江戸城桜田門の外で暗殺された有名な事件です。
歴史書は大概、権力をもった側によって記録が残されることが多いのですが、本書は暗殺の現場指揮者であった関鉄之介の目線で綴られているのが、大きな特徴の1つです。
そして我々は井伊直弼が暗殺されるまでの社会情勢や、暗殺されたこと自体は知っていますが、暗殺後に関係者がどうなっていったのか、を知っている人は多くはないのではないでしょうか。
実行役の関鉄之介の目線で、本書はざっくり全体の3分の2までが井伊直弼が暗殺されるまでに費やされ、残りの3分の1は暗殺後から関鉄之介が捕縛され処刑されるまでを描いています。
桜田門外ノ変の”その後”がしっかり描かれていることがもう一つの大きな特徴です。
ChatGPTさんによる概要説明はこんな感じです。
1860年3月3日に起きた歴史的事件を題材にした小説である。
水戸藩と薩摩藩の浪士たちが、幕府の大老・井伊直弼を江戸城桜田門外で襲撃し、暗殺するまでの過程が描かれている。
物語は、襲撃を決意した浪士たちの苦悩や覚悟、そして事件の背景にある幕府の政策や尊王攘夷運動にも触れている。
襲撃後の浪士たちの運命や、事件が日本の歴史に与えた影響も詳細に描写されている。
吉村昭の緻密な取材とリアリズムに基づいた筆致により、歴史の流れと人物の心情が生き生きと伝わる作品である。
襲撃側である関鉄之介の目線で、井伊直弼を亡き者にしなければならないと追い込まれていく様子が実にじわじわときます。
そして襲撃直前の心臓の鼓動が聞こえてきそうな緊張感から、襲撃が始まった後の混乱ぶり、そして井伊直弼の首をとったあと、惨殺されたもの、自刃したもの、無事逃げたもの、大怪我で苦しむもの。。。
運良く逃げることができた関鉄之介は、生きているからこその苦しみと戦うことになります。
期待と絶望。くつろぎと緊張。並の神経ならズタボロになるであろう状況の中でも、わずかな希望を頼りに逃亡を続けます。
その鉄之介の心理描写が見事な後半3分の1です。
2010年に大沢たかおが主演で映画も公開されています。
時間があるときに観てみようと思います。
余談ですが、本書の下巻。実は先日小倉に行ったときに新幹線に忘れてしまった本だったんです。
翌日無事見つかって忘れ物センターさんから配送していただきました。

本はバブルシートで丁寧に包まれていて、その中にこんなカードが入っていました(^^)
嬉しい心遣いです。
電話で応対していただいた方もとても丁寧でした。
こういう気持ちに触れられることが嬉しい出来事でした。

