先日録画していた番組をみていたら聞いたことがなかった言葉がでてきました。
「キーストーン種」
生態系において比較的少ない生物量でありながらも、生態系へ大きな影響を与える生物種を指す生態学用語。生態学者のロバート・トリート・ペインによって提唱された概念。生態系へ大きな影響を与える生物種であっても、生物量が多い優占種は、キーストーン種とはみなされない。(Wikipediaより抜粋)
その番組でとりあげていたキーストーン種は「ビーバー」でした。

(画像:鳥羽水族館の飼育日記ページより引用)
ビーバーはご存知のように材木を集めて水をせき止めてダムを作りそこを住処とする習性があります。
「自分の生活のために周囲の環境を作り替える、ヒト以外の唯一の動物」であると言われるそうです。
このビーバーの習性で、水がせき止められた地域に水がたまり、それによって水鳥がやってきたり、水の流れがなくなることで水草が育ち、その水草の周辺に多くの生物が生活を始めるようになるそうです。
イギリスに生息していたビーバーは、その撥水性の強くて丈夫な毛皮を求めた乱獲によって400年ほど前に一時絶滅したそうです。
近年そこに新たにビーバーを4頭放ち、地域の自然を回復させようという動きがあったというのが番組での紹介内容でした。
ただすでにその地域に住んでいる農家の人たちへの影響の懸念はあり、あまりにも被害が大きいところでは駆除も認めるということで、人との共存という点ではそう簡単な話ではなさそうです。
さて、私が初めて聞いたこのキーストーン種。
ラッコもそうらしいです。
ラッコが乱獲でいなくなってしまった海では、ウニが大繁殖して海藻の根も食べ尽くしてしまってジャイアントケルプがなくなってしまい、生態系が大きく崩れてしまったそうです。
北太平洋岩礁潮間帯のヒトデは、イガイとフジツボを食すことで両者のバランスを保つ役割をもっていたようなんですが、ヒトデを駆除するとイガイが岩礁を占拠してしまい、生態系が壊れてしまったという事例もあるそうです。
キーストーンと正式に認定されてはないようですが、アメリカのイエローストーン国立公園にオオカミを導入した事例は有名ですね。
人間の卵殻によってオオカミが絶滅。その餌となっていた草食のワピチが増えて植生破壊が始まります。
植生が破壊されることで、他の生態系にも影響がでてきたことで、いろいろと検討を重ねてオオカミを再導入したというものです。
これにより増殖していたワピチの個体数が減少してあるところで安定するようになり、それによって植生がもどり、ビーバーなどの他の動物が戻ってきたということです。
日本でも近年シカの増殖が問題視されるようになっていますが、その一因としてニホンオオカミの絶滅があげられています。
じゃあ日本でもオオカミを再導入したら、という意見もあるようですが国土の狭い日本では、オオカミによる人間への害もありうるようで、簡単な話ではないようですね。
以前このブログで明治神宮の森についてご紹介したことがありました。
明治天皇の東京行幸にともない、明治神宮の森をつくることになり、人間が手を加えなくても自生し続ける森にしようと設計された森です。
多くの生き物が必死に生きようとしている中で生まれる絶妙なバランスが、この森にあらわれています。
これまでは資源は無尽蔵という前提で使い倒してきた人間ですが、すくなくとも地球という観点で考えれば、有限であることがみえてきて、なおかつ”バランス”というものが存在しているため、その”バランス”が崩れると、生活環境の変化が著しく早くなるということを経験しています。
私としてはバランスを重視する方向でありたい、と思っているので、その要素をどう自分の生活に取り込んでいこう。。。
遅まきながら「キーストーン種」という概念を初めて学びました。