
(画像:NHKフロンティアのホームページより引用)
先日こちらで同じシリーズの「糖」についてご紹介しました。
第2弾は「塩」です。
これも「必要だけれど摂り過ぎは毒になる」という物質。
この番組でも、
・必要性
・毒の面
・新しい活用の仕方
と3つの章で構成されています。
必要性
塩は、ナトリウムと塩素で構成されていますが、このナトリウムがポイント。
ナトリウムの効能として2つ紹介されていました。
1つ目は「電気エネルギー」。
脳からの信号など、身体を動かすためにヒトは電気信号で司令を伝達しています。
ナトリウムはその電気エネルギーを生み出す役割を担っているそうです。
2つ目は「味覚」。
味を感じる舌には「味蕾(みらい)」と呼ばれるセンサーがあるのですが、このナトリウムがないと感じられない甘みがあるそうです。
甘味成分を取り込む入口があって、ナトリウムがあると一緒に甘味成分が取り込まれるんだそうです。
先祖がまだ海で暮らしていた頃は海に溶けていた塩分が無尽蔵にありましたが、進化の過程で陸上にあがってから陸上動物は塩分を何かで取り込む必要がでてきました。
そしてヒトは農耕を始めたことでさらに塩を必要とするようになった、という研究が紹介されていました。
通常身体で使われたナトリウムは、腎臓で回収されたあと再び血液に戻されるように、循環利用されているらしい。
ところが野菜にはカリウムが含まれていて、これが体内に取り込まれると、カリウムを排出するためにナトリウムを吸収するための口が閉じてしまいます。
するとナトリウムも一緒に排出されてしまってナトリウム不足になってしまうんです。
農耕は世界中に拡がっていきますが、その農耕とともに塩も伝わっていきます。
そしてその塩は「塩漬け」という手法で食物を保存することを可能にしました。
これによってヒトの生活に安定をもたらしたと言われています。
毒の面
アフリカのマサイ族は食事のほとんどを牛乳に頼っています。彼らに塩をなめさせると「まずい」「(舌が)痛い」といいます。
塩を使わない彼らはどうしているのかというと、牛が塩を含んだ土を食べていてその塩分が牛乳を通じてもたらされているんだそうです。
マサイ族の1日あたりの塩分摂取量は約2g。
WHOが提唱している1日あたりの摂取量は5g未満。
日本人の平均摂取量は10gで厚労省が示す目標量は男性7.5g未満、女性6.5g未満です。
そんなマサイ族にも最近海外の食文化が入り込み始めており、基本痩せ型なのですが、都市部では肥満のマサイ族が出始めたといういいます。
その理由の一つが塩分の摂り過ぎ、と言われています。
海外からもたらされた食文化には塩がたくさん使われており、その味を知った人たちがかなり塩分を摂取するようになったらしい。
ある学者が言っていました。「人間が初めて手にした麻薬が塩だ」と。
塩の弊害はご存知のように動脈硬化などの症状に現れます。
新しい活用の仕方
ここで終わるとただの健康番組で終わってしまうところ(^^)
番組では塩の可能性についての研究について紹介してくれました。
紹介されていたのはルーマニアにあるトゥルダ岩塩鉱山。
岩塩を取るために掘った穴を遊園地にした娯楽施設なのですが、その奥に「観光客立ち入り禁止」区域があります。
そこには小さな子どもが親と一緒に遊んだり勉強したりしています。
ここ、喘息患者の治療場所なんです。
この洞窟にいると喘息症状が改善されるらしい。子どもは8日〜12日、大人では12日〜18日滞在するそうです。
「ここにくると全然むずむずしないんだ」と子どもが言っていたのが印象的です。
ドイツのレーゲンスブルクでは、感染症の治癒に塩が活躍しているかもしれない、という研究がされているそうです。
塩分高めの餌を与えたマウスの感染症が早く治るとか、感染症をおこした部位にナトリウムが集中しているという様子などが紹介されていました。
我々日本人の生活の中には、醤油、味噌、漬物と塩を活用した食文化が染み込んでいます。
また美味しい外食が簡単にできることもあり、それらの味付けには多くの塩が使われています。
なので気がつけば塩分を摂りすぎてしまう環境かもしれません。
また、普段の生活スタイルで必要な塩分量は変わってきます。
身体を動かす人はナトリウムが多く汗といっしょに排出されてしまうので、運動していない人に比べると多めに塩分を摂取したほうがいいかもしれません。
私は自炊する機会が増えてきたことと加齢もあって(笑)味の好みは薄い方に移ってきました。
なので時々外食すると「濃いな」と感じることがあります。
身体も自然と塩分摂取を調整しているのかもしれません。
前回の糖と同様、”ほどほど”を保つ感覚が上手な付き合い方、でしょうか。