先日何気なくYahoo!ニュースをみていたら、この記事が目に飛び込んできました。
レジェンド羽生九段が会長を1期で退任する意向を示して、次期会長は誰になるだろうと言われていたのですが、初めて女流棋士が就任することになりました。
清水新会長は、女流棋士として一時期女流タイトルを総なめにしていて、福間香奈女流六冠(旧姓里見)が抜くまで女流タイトル獲得数は歴代1位だったくらい、女流棋士としては圧倒的な存在です。

(画像:中日新聞のページに掲載されていた写真を引用)
ちなみに今の女流棋士のタイトル保持者はこんなかんじです。

2019年から現在に至るまでは、福間女流六冠と西山女流二冠の二強時代が続いています。
お二人共棋士編入試験の資格を得たくらいですから、女流棋士の中でもこの2人は突出しています。

2010年から2018年はほぼ福間さん(旧姓里見)の一強時代でした。西山さん、加藤さんは奨励会で棋士を目指していたので、出場できる女流タイトルが限られていました。


(これまでの一覧表の画像はすべてWikipediaより引用)
そしてこちらが1993年から2009年までの経緯。ほぼ清水さんがタイトルを独占していたことがわかります。それも17年間にもわたってです。
ちなみに中井さんが一時期タイトルをとっていますが、羽生世代の1人でして、1981年の小学校全国大会では羽生さん、佐藤康光さんら羽生世代を差し置いて準優勝しています。
小学校全国大会で決勝に残った女性は中井さんただ1人。
さらに女流棋士で初めて男性棋士に勝利したというかなりのツワモノです(^^)
余談ですが1982年の小学校将棋全国大会の優勝者は羽生さんです(^^)
脱線しました・・・(笑)
清水さんの話でした。
清水さんの現役時代の成績は文句のつけようのないくらい素晴らしいのですが、今回の会長就任で特筆なのは、単に初の女性、ということだけではなく、”プロ棋士でない人”が初めて就任したことでもあります。
プロ棋士には棋士番号があるのですが、清水さんは女流棋士番号は持っていても棋士番号はありません。
1947年に日本将棋連盟は発足して以来初めてです。
2017年から常任理事メンバーだった清水さん。在任中は女流棋士最高賞金で、プロ棋士の名人と同じリーグ戦によるタイトル戦を新設するという実績もあるので、単なるお神輿的ではなく期待のこもった登用と思われます。
まだ余談ですが、清水さんは女流で唯一の女流七段保持者でもあります。
女流棋士制度が始まった1974年以降、これまでの最高位は女流六段。
初の女流棋士である蛸島彰子さん、同時期に活躍された山下カズ子さん、関根紀代子さんというレジェンドと、先にでた中井広恵さんだけです。
女流棋士といえば、先週こういう記事も掲載されていました。
清水さんが新設した「白玲」というタイトルで、5期タイトルを獲得すると「クイーン白玲」という永世称号(タイトルを失っても永世称号を名乗ることができます)を得られるのですが、クイーン白玲になれば棋士に編入できる、というものです。
これ、かなり画期的な提案です。
近年福間さん、西山さん始め、女流棋士がプロ棋士に勝つということをよく見られるようになってきて、女流タイトル保持者レベルであればプロ棋士とも戦えることを実証してきたことが大きいと思われます。
女性の棋士がプロ棋士になるためには、他の男性と一緒に「奨励会」に入って三弾リーグでトップ2になれば昇格できます。
かつては西山さんが同率ながら順位の関係で次点となってのがしたことがありますが、これはこれで女性のみならずかなり厳しいハードルではあります。
そこで、アマチュアでも一定のレベルであれば棋士になれる道を作ろう、と編入試験制度が2014年に制度化されました。
この制度で過去7人が受講資格を得て挑戦し、うち3人がプロ棋士となりましたが、福間さん、西山さんは残念ながら落ちてしまいました。
この2人、実力があるのですが編入試験時期は女流タイトル戦など、女流棋士としてのスケジュールをこなしつつ、体調が思わしくないときに重なってしまい、編入試験では実力を発揮しきれなかった印象があります。
そういう意味では、この新しい編入制度は女流棋士のレベルアップに裏付けされた画期的な提案です。
羽生九段が会長退任前の理事会で提案されたそうです。
さすが、羽生さん(^^)
会長職で大変だったでしょうから、退任されたもう一度タイトル戦に復活して王者藤井さんに挑んで欲しいです。
今挑戦者決定戦で一番可能性が高いポジションにいるのが、王座戦。
あと2つ勝つと挑戦権を得られます。
準決勝の相手は、藤井さんに抜かれるまでタイトル獲得の最小記録を持っていた屋敷九段。同世代ですが、対戦は1年9ヶ月ぶり。最初は羽生さんが13連勝していましたが、その後はほぼ互角の戦いで、前回は羽生さんが勝って、対屋敷戦の連敗を4で止めました。
準決勝のもう一方は広瀬九段と伊藤叡王。伊藤叡王は藤井さんからタイトルを奪取した唯一の棋士。準々決勝で羽生さんの天敵とも言える棋界No.2の永瀬九段を破っての勝ち上がりです。
あと1つタイトルを取ると前人未到の100個目のタイトル。
会長職の最後で羽生マジックを見せてくれたので、今度は本業でぜひ披露してほしい、と密かに期待しています(^^)