今月の読書会の課題図書はこちら。
スマホが当たり前になったことで失われた「孤独」の時間。
その「孤独」を避けるようになり、そしてどう消化不良を起こしている人が少なくないこの時代だからこその哲学。
ところが我々にはなかなかハードルの高い世界なのが哲学。
そこに哲学では一日の長である著者が「観光案内人」として我々に哲学を紹介し、哲学者との”対話”をするきっかけを用意してくれたのが本書です。
本書は全体で380ページ強ありますが、最初の「はじめに」で約17ページを割いています。
本書を読むにあたっての心構えを示しつつ、ウォーミングアップの役割も果たしています。
「はじめに」には以下の小タイトルで構成されています。
・「君たちは自分を忘れて、自分自身から逃げようとしている」
・哲学を学びたいという声
・哲学という「未知の大地」の観光案内
・人は人生のどこかで必ず立ち止まる
・今病院に行く必要がなくても、医者はいたほうがいい
・困ったときのために、哲学をそばに置いておく
・哲学は2500年続くヒットコンテンツ
この小タイトルだけで、よくある哲学指南書とは経路がちょっと違う匂いがあります。
今外にでれば、電車やバスの社内、駅やバス停、カフェ、場合によっては歩いているときや自転車に乗っているときでもスマホを見ている人が、驚くほど多いです。
20年前には見られなかった光景です。
確かに「なにもしない」という時間が少なくなったかもしれません。
今までもっとあったはずの「なにもしない」時間は、かなりスマホに置き換えられてしまったかもしれません。
スマホの侵食は、「なにもしない」時間だけでなく、今までやっていたことをも置き換えてしまうくらい強力。
スマホは単に時間を侵食するだけではありません。
あまりにも便利だから、すぐに答えがでてくるし、情報をあっという間に取得することができます。
”タイムパフォーマンス(いわゆるタイパ)”という言葉が生まれてきたのは、スマホの登場も大きく影響を与えている気がします。
昔は情報は簡単に手に入れられなかったから、どうやって手に入れようかというところから”考える”ことが多かった。
今失われたものの一つが、その”考える”という行動だと本書では指摘しています。
そしてその”考える”という行動は、”孤独”になる時間を得てもたらされます。
”孤独”と書くとネガティブなイメージを与えそうですが、「誰にも邪魔されない時空」と考えると、”自由”な時間でもあり、実はそんな悪いことではない(^^)
自由な時間を得て、人は考える。
考える、とは・・・
自己との対話。
もう一人の自分と対話をして、新しい世界を見つけること。
その時にもう一人の自分がもたらす材料は、過去の”頭のいい人たち”が見つけた考え方からであり、それを”哲学”という。
人は考える時、答えを探そうと考えるのだけど、答えを得ることが目的ではなく、答えを探すその道程(みちのり)にこそ意味がある。
ざっくりこんな案内をしてくれています。
かなりラフなまとめなので、読んでいただけるともっとわかりやすいと思います(^^)
私もいろいろな面でスマホの恩恵は受けています。
自分の時間に拘束されずにタスク処理ができることは、自分の時間を大切にするうえでとてもありがたい。
ただ、正直私はそんなにスマホを使いたいとは思わない人種の1人です(笑)
私のスマホ活用は以下の通り
<SNS>
・Messenger:シェアハウス管理運営で必要だし、知人との連絡に活用
・Facebook:PCで毎日ブログのURLを掲載するが、スマホでは制限時間を1日15分にセットしてだいたいおさまっている
・Twitter:かつてかじったけどやってない
・Instagram:かつてかじったけどやってない。写真がヘタなのでやる気がおきない
・TikTok:ダンスできないので興味ない
・What's up:やろうと思わない
・SMS:携帯番号に付随
<情報系>
・Yahoo!:時々ニュースのヘッドラインを眺める程度。スマホでは制限時間を1日15分にセットしてだいたいおさまっている
・NewsPicksなどのニュースアプリ:かつてかじったけどやってない。コメントの内容に辟易することが多かった
<金融系>
・各銀行アプリ:これは仕事上必須で、今はPCよりもスマホの方が手続きがスムースなので大いに活用している
<決済系>
・PayPayやモバイルSuicaなど:この利便性とポイ活の両面で大いに活用している
<ゲーム系>
まったくやらない。
<動画系>
・Youtubeは在宅勤務時にBGMを流すくらい。特にひいきにして見ているチャンネルはない
・NHKプラス:PCが使えない時くらい
・他の動画系ソフトは使っていない
<仕事ツール>
・Gmail:業務もプライベートも必要なので大いに活用している
・Slack:今の業務で必要で、PCをわざわざ立ち上げなくても確認ができるので大いに活用している
・Outlook、Teams:iphone16eになってからだが、Slack同様の理由で活用している
<その他アプリ>
・買い物アプリ:普段利用しているショップのアプリはポイ活で活用中
・勉強アプリ:英語で活用
・マップ、乗換案内:移動時には必須
・カメラ、写真:これもスマホがカメラとストレージ(実際はクラウドだが)を兼ねてとても便利
・ランニング系:ライフログ管理に便利
まあ、私もそれなりにスマホの利便性の恩恵にあずかっており、今スマホがなくなったら、それはそれで結構困ります^^;;
ただ、スマホに時間を奪われることは意識的に避けてはいます。
脱線しましたが、私の中では「答えを探す道のりに意味がある」という内容がとても共感したポイントでした。
なお、作者の谷川嘉浩氏の著作は昨年7月にも「人生のレールを外れる衝動のみつけかた」を課題図書にあげてもらっていました(^^)