今回読んだ本はこちら。
私達にとって遠いところにあるアフリカ。
それにどんな”地政学”があるのか、本のタイトルが気になって先日本をまとめ買いしたときの1冊です。
クセジュシリーズから2018年に出版されている「地政学」(第4版)では、「地理的空間、すなわち環境」と、そこで展開される権力闘争の相互作用を研究することが、「地政学」の目的であると述べているようです。(本書あとがきより抜粋)
実際読んでみて、最初に感じたのは「ちょっと予備知識が必要かも」でした(^^)
欧州諸国による植民地時代から、独立後のアフリカにおける権力闘争において、おそらく研究者の間では当たり前のように知られているであろう各国の権力者たちの名前が、たくさん出てきます。
それに加えて、内容も幅広く網羅的にかかれているため、私のようなアフリカ初心者はスラスラ読むことは難しいです。
それでも、この本から現在進行系である政治的不安定や貧困といった状況に影響を与えてきた、あるいは与えているであろういろいろな因子を見ることができます。
やはり欧州各国による植民地支配は、アフリカという世界を混乱に陥れた最大の要因のように感じます。
奴隷制度、強引な国境設定、経済による支配・・・
それにイスラム教、民族同士の対立、新たに参入してきた米国、ロシア、中国の思惑などが複雑にからんできて、貧困や暴力と常に背中合わせとなる緊張を強いられる地域になっているような印象を持ちます。
自然をうやまい、家族や仲間を大切にし、お互いの境は人間ではなく”自然環境”によってなりたっていた古来のアフリカ。
そこに、奴隷や資源の搾取という”暴力”と、経済による”欲望”という”毒”あるいは”麻薬”がもたらされてしまったアフリカ。
それがなにかスイッチとなって、アフリカの中での”暴力”や”権力闘争”、”欲望”を増長させてしまったよう。
実は偶然にも読書会の次の課題図書がアフリカに関係する本で、この後にその課題図書を読んでいるので、アフリカについてちょっと予習したような感じになりました。

