今回の読書会の課題図書はこちら。
砂糖という商品を通じて世界がどう動いてきたかをわかりやすく解説した本です。
岩波ジュニア新書ということで学生にむけた本のためか、読みやすい文章でした。
私は本のタイトルからてっきり「砂糖そのもの」の歴史についての本かと思ったのですが、確かに砂糖がいつ見つかってどのような扱いをされてきたかを解説しているのですが、砂糖が主人公というより、砂糖という視点からの世界史、という内容です。
砂糖はそもそもヨーロッパにはなかったもので、一時期アジアから北アフリカおよび南ヨーロッパを支配したイスラム圏によってもたらされたそうです。
さとうきびは比較的温かい地方で育つサトウキビから採取されますので、気温の低いヨーロッパでは自生していないんですよね。
砂糖との出会いから、世界がどのように動いていったのかをひもとく話は、さも砂糖が世界を動かしたかのような錯覚を覚えそうなくらい、中世の歴史にかなり影響を与えていたんですね。
砂糖あるところに奴隷制あり
アフリカからたくさんの人たちが奴隷売買で連れてこられてプランテーションで働かされていたんですね。
砂糖の消費場所であったコーヒーハウスで世界は動いていた
コーヒーハウスは今で言うサロンやクラブみたいなもので、高価な茶、コーヒー(いずれも輸入品だった)、砂糖を楽しめる裕福な人達、すなわち各界の実力者たちが集まって議論や意見交換、情報収集をしていたようです。
イギリス人はなぜ珈琲ではなく紅茶文化になったのか
コーヒーハウスは元々イギリスで発達してコーヒーやお茶が流行ったのですが、家庭で飲まれるようになってから廃れてしまいました。そのときに家庭では圧倒的にお茶が支持されたようですが、どうもどこの植民地をもっていたのか、ということが影響を与えていたようですね。
砂糖と政治
サトウキビのプランテーションを保有する人たちは自分たちの砂糖事業に都合がいいようなルール作りをするよう政治に圧力をかけていきます。政治に利権が大きな影響を与えるのは古今東西変わらないようです。
こんな興味深い話がたくさん盛り込まれています(^^)
先日読んだ澤田瞳子氏の小説「孤鷹の天」でも、奈良時代に京の都では奴婢という一般市民とは異なる扱いをされていた人たちがいたことが描かれています。
奴隷制度ってかなり昔からあったようなんですね。
今先進国では「砂糖は成人病のもと」と悪者扱いされることが多いですが、世界では砂糖をとることで栄養を補える人たちが少なくない、というのも事実。
砂糖ひとつでいろいろな世界について考えさせられます。

