48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

読書会〜マネーボール[完全版]

 

 

今回の読書会の課題図書はこちら。

 

ブラッド・ピットが主演した映画「マネーボール」の原作本です。

www.sonypictures.jp

 

以前観たことがある映画だったのでなんとなくの流れは覚えていたつもりで読みましたが、結構忘れていましたね(笑)

 

(なぜかこの映画を観たことをブログに書いていなかった・・・)

 

さてさて本書、「完全版」とあるように、単行本や文庫版で割愛されていた箇所を訳し入れたり、新たな収録ももりこまれているようです。

 

舞台は2002年ころ。

 

野茂英雄が現地で大リーグ100勝を上げた頃、そしてイチローが大リーグで鮮烈なデビューをして3年目というあたりです。

 

2002年4月時点で大リーグに所属していた日本人は、

吉井理人モントリオール・エクスポズ(2004年から現在のワシントン・ナショナルズ

マック鈴木カンザスシティ・ロイヤルズ

長谷川滋利シアトル・マリナーズ

野茂英雄ロサンゼルス・ドジャース(2回目のドジャース

野村貴仁ミルウォーキー・ブルワーズ(わずか2ヶ月でしたが)

新庄剛志サンフランシスコ・ジャイアンツボンズと一緒だった)

佐々木主浩シアトル・マリナーズ

小宮山悟ニューヨーク・メッツ

木田優夫:このときはマイナー

大家友和モントリオール・エクスポズ

伊良部秀輝テキサス・レンジャーズ

イチローシアトル・マリナーズ

石井一久ロサンゼルス・ドジャース

 

なお田口壮は2002年6月からカージナルス松井秀喜は2003年4月からヤンキースですね。

 

限られた予算の中で、最大のパフォーマンスを出すことを目標に、オークランド・アスレチックスゼネラルマネジャーGMビリー・ビーンが、大リーグという”社交クラブ”(本書の著者マイケル・ルイスがあとがきで大リーグをこう呼んでいた)に、新しい経営手法を持ち込んだときの、まさに大リーグのフロント、選手、関係者に与えた大きな影響を、わかりやすく解説したのが本書です。

 

映画では、ビリー・ビーンが主人公として描かれていますが、原作本ではビリーだけでなく、ビリーの相棒ポール・デポデスタ(映画では”ピーターブランド”と別名で登場しています。これは映画のピーター役に抜擢された俳優があまりにも自分と異なる容姿だったので実名を出すことを拒否したかららしいです^^;;)、またビリーによって発掘された選手たちの人生の大変化についてもスポットをあてています。

 

大きな変化を受けた選手の代表格が

・スコット・ハッテバーグ

・チャド・ブラッドフォード

・ジェレミー・ブラウン

でしょうか。

 

それぞれ本書で1章を割いて、彼らの人生の大きな変化を描写しています。

 

ビリーが持ち込んだ改革は、いわゆる判断基準を「感覚・直感」から「データ」に移行したことと、必要なデータを定義して改めて集計を始めたこと、でしょうか。

 

本書はいい意味でも悪い意味でも大反響だったようで(巻末の”ベースボール宗教戦争”でそのことに触れられています)、ビジネスの世界でも使える、とアスレチックスに問い合わせがかなりあったようです。

 

そう、「直感」ではなく「データ」で話しようと、いっときの日本でも大流行したかもしれません^^;;

 

ただビリーたちの優れているところは、今あるデータをこねくり回すのではなく、「意味のあるデータ」を再定義して、それが存在していないとわかるとどうやってデータとして集計できるかを考察して実行したところにもあります。

 

一方で、野球をコントロールするのは、現場の選手でもなく監督でもなく、GMなのか、と思わされる内容が映画でも原作本でも伺えます。

 

今の大リーグでも、”勝つために必要な”選手を集めるのはGMの責任で、監督にはその権限がない、とききます。

 

本書をみると、実は今のドジャースでもロバーツ監督の権限はほとんどなく、GMからの指示に忠実にしたがっているのか、と勘ぐってしまうくらい^^;;(不振のマイケル・コンフォルト選手の継続的な起用も、もしかしたらロバーツ監督ではなく、アンドリュー編成本部長の指示だったのかなぁ、なんて思ったりも)

 

今年か昨年のあるテレビ番組で、イチロー氏と松井秀喜氏が対談していたのですが、イチロー氏がおもむろに「最近の野球、面白くないよね?データばかり」と言ったことに「そうですね、私もそう思います」と松井氏が同調していました。

 

もしかしたら、このことを言っていたのかな。

 

今大リーグはデータをフル活用していますし、視聴者もテレビを通じて様々な”データ”を見ることができます。

 

カウント1−2からの打率、とか、ストライクゾーンを9つのマスに分解してそれぞれにおける打率、とか。

 

これがリアルタイムで情報が更新されます。

 

選手もベンチに戻るとタブレットをみて、終わったばかりの打撃やピッチングをみて研究しています。データもみているでしょう。

 

かつて日本でも野村克也監督が”ID野球”としてデータを活用することで、好成績を収めていた時期がありましたが、データは当事者のみで視聴者がそのデータを見ることは叶いませんでした。

 

ここがエンタテイメントに対する考え方の違いでしょうか。

 

ではビリー・ビーンが導入したデータ重視が絶対的か、というと、ここ数年ちょっと変わってきたような気がします。

 

特に大谷翔平が登場してから(^^)

 

なんか、そういったデータの世界を超えちゃうことが起こりだしたような気がします。ワールドシリーズの山本投手のピッチングもそういう類かもしれません。

 

ビリー・ビーンは、わざわざアウトになる犠牲バントや、アウトになる確率がたかい盗塁を否定していました。

 

でも、レギュラーシーズではさすがにあまり見ないバントも、ポストシーズンになるとバントが多用されますし、盗塁に至っては大谷翔平の50−50で大盛り上がりでした。

 

勝負事ですから、勝つ負けるはとても大切ですが、一方でプロスポーツは”エンタテイメント”であることを、ここ数年の大谷翔平の活躍を見て感じるようになってきました。

 

ビリー・ビーンの改革は、個人的にはとても意義のあることだと思っていますが、一方で大リーグは波はありつつもまだまだ変化し続けているようにも感じます。

 

 

 

訳本の訳がわかりやすいので、読みやすい本です(^^)