48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

読後感想〜秋萩の散る

 

今月2回目の澤田瞳子作品です。

 

実は読書会の課題図書が別にあったのですが、自分には読みたいと思えない内容だったので80ページほどまで読んでやめてしまったんですね。

 

それよりは自分が読みたいと思う本を読むことに時間をあてたいな、と最近ハマっている澤田瞳子氏の作品に手をだしました^^;;

 

本作品は前回の与楽の飯と同様奈良時代を舞台とした短編集です。

 

藤原清河とその従兄弟である藤原仲麻呂の息子藤原刷雄(よしお)が、遣唐使船が帰国の途中で立ち寄った沖縄でのできごとを描いた第一話「凱風の島」。

 

その沖縄での出来事に一緒にいた吉備真備を描いた第二話「南海の桃李」。

 

この遣唐使船は唐から鑑真を連れて帰った歴史に残る使節団。

 

いつもの澤田瞳子作品なら、ここから時系列で話が展開していくのですが、第三話「夏芒の庭」に入ってすぐに「佐伯上信(さえきうわしな)」という見覚えのある名前がでてきました。

 

おや?

 

この人物、澤田瞳子作品の「孤鷹の天(こようのてん)」に登場していたはず。

 

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そして2〜3ページ読むと桑原雄依(くわはらのおより)という名前も。佐伯上信と仲がいい塾生だ。

 

この2人の仲がぐっと近くなるきっかけかもしれない事件が描かれています。

 

「孤鷹の天」の舞台のちょっと前の時代になります。

 

そして第四話「梅一枝」では石上宅嗣(いそのかみやかつぐ)を中心に描かれるのだが、その従姉である石上志斐弖(いそのかみしひて)とその子供が登場します。

 

あれ、この石上志斐弖なる人物、確か「夢も定かに」という作品で、主人公が首天皇(おびとてんのう:聖武天皇のこと)に近寄ろうとし、作戦の一環として首天皇の元に送られたらなんと手を付けられて天皇の子を身ごもってしまった、という人物ではないか。

 

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首天皇には男子がおらず娘である阿部(のちの孝謙天皇(重祚して称徳天皇))が皇太子となっており、お手付きの女が天皇の子を生んだと知れると陰謀策略に巻き込まれる恐れがある、として首天皇の後宮であった海上女王に匿われていたはず。

 

それがなんと生まれた子供が久世王として登場してきます。

 

第五話は本書のタイトルにもなった「秋萩の散る」で、阿部に寵愛された道鏡が下野国に流された後、自分の心の葛藤と向き合うことになった事件が舞台となっています。

 

第一話の藤原清河、藤原仲麻呂、第二話の吉備真備、第三話の佐伯上信、桑原雄依は「孤鷹の天」、第四話の石上志斐弖と久世王は「夢も定かに」、第五話の道鏡は「孤鷹の天」と「夢も定かに」に登場します。

 

時系列的には順に並んでいるのですが、これまでのように同じ舞台というわけではなく、異なる舞台で短編が続いているのが異色で、本書解説で触れられていたように「孤鷹の天」と「夢も定かに」の”スピンオフ”的な作品でもある印象です。

 

精巧な時代考証で当時の様子がよくイメージできて、かつ人の心は古今東西変わらない切なさを巧みに描いているので、時代は古くても中身に古さを感じさせないのかもしれません。

 

澤田瞳子氏のおかげで、だいぶ奈良時代に親近感を覚えるようになってきました(^^)

 

鎌倉時代以前の歴史小説の舞台をアップデートします(^^)

 

41代持統天皇〜42代文武天皇  澤田瞳子「日輪の賦」

41代持統天皇〜45代聖武天皇  永井路子「美貌の女帝」

45代聖武天皇         澤田瞳子「夢も定かに」「与楽の飯」「秋萩の散る」

46代孝謙天皇〜48代称徳天皇(重祚) 澤田瞳子「孤鷹の天」「秋萩の散る」

49代光仁天皇〜52代嵯峨天皇  永井路子「王朝序曲 誰か言う「千家花ならぬはなし」とー藤原冬嗣の生涯」澤田瞳子「秋萩の散る」

66代一条天皇〜69代後朱雀天皇 澤田瞳子「満つる月の如し 仏師・定朝」

 

次の澤田瞳子作品は「腐れ梅」を予定。

 

時代的には平安時代で第61代朱雀天皇あたりのようです。