先日担当税理士と決算の話をしていたときに、本社を移転する話がでてきました。
以前からちょっと相談をしていたのですが、費用がかかることや急ぎではないこともあってずっと放置していました。
いくつかの事情もあり、「そろそろタイミングかもね」ということで、本社所在地を移転することにしました。
本社を移転するために必要な手続き
本社を移転させるためには、以下の手続きが必要です。
- 会社として本社移転を提起し承認するという手続き
- 法務局に登記する
- 関係先に連絡をする
司法書士の人がやってくれますが、自分でやれば手数料を節約できますし(3〜5万円くらいかかる)、簡単です。
1 会社として本社移転を提起し承認するという手続き
弊社は株式会社なので、株式会社としての手続きになります。
本社を移転する際に、定款に記載されている本社所在地を変更する必要があるかどうか、の確認が必要です。
- 期末から3ヶ月以内に株主総会を開催し「本社を移転」を決議し、株主総会議事録を発行する。
- 決議した際の「株主リスト」を作成する。
- 取締役会を開催し「取締役会議事録」を発行する。
- 1人会社など取締役会が存在しない場合は「取締役会決定書」を作成する。
これが社内における手続きです。
株主総会議事録、株主リスト、取締役会議事録または取締役会決定書のテンプレートはネットにあふれるほどありますので、簡単に無料で手に入れられます。
合同会社の場合は、株主総会や取締役会が存在しませんので、定款で手続きが定められていればそれに従い社内で決定をします。
一般に複数の社員がいる場合は
が必要になります。
これで「社内決定」手続きが済みました。
2 法務局に登記する
法務局に登記する場合、現在の法務局の管轄が変わるかどうかで準備する内容がかわります。
そして登記手続きは社内決定後2週間以内に行う必要があり、それを怠ると罰せられることがあるので注意しましょう。
まず自分の法人がどこの管轄にあって、変更後どこの管轄になるのかを確認しましょう。
(1)管轄が変わらない場合
準備するものは、
です。
(2)管轄が変わる場合
準備するものは、
- 本社移転登記申請書(現管轄法務局用)
- 本社移転登記申請書(新管轄法務局用)
- 登録免許税 30,000円の収入印紙(現管轄法務局用)
- 登録免許税 30,000円の収入印紙(新管轄法務局用)
- 株主総会議事録(株式会社の場合)
- 株主リスト(株式会社の場合)
- 取締役決定書(株式会社の場合)
- 印鑑届書(新管轄法務局用)
です。
管轄が変わると、申請書と印鑑届書が追加され、登録免許税も倍かかります。
本社移転登記申請書のテンプレートはこちらを参考にするといいでしょう。
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001249331.pdf
私は東京都で、大田区から新宿区に変更となります。
法務局の管轄は城南出張所から新宿出張所に変わるため、管轄も変更することになります。
そのため、書類は(2)のパターンで用意することになりました。
収入印紙で6万円は痛い・・・
ちなみに会計処理は、収入印紙で税金を納めるため「租税公課」で仕訳で、法務局あるいは郵便局で購入できます。
書類は、現在の管轄の法務局にすべて提出します。
現在の管轄法務局が書類を審査し、手続きが終わる見込みの日程について教えてくれます。
その日程になったら新しい管轄の法務局に電話連絡し、法人名を伝えて手続きが完了しているかどうかを確認します。
無事手続きが完了していたら、届印を持って新しい法務局に出向き新しい印鑑登録カードを発行してもらいます。
これで登記の手続きは完了です。
意外と簡単でしょ(^^)
なお、この手続については法務局に直接問い合わせると丁寧に説明してくれるので、困ったら連絡をしてみるといいです。
私も事前に電話をして手続きについて確認をしたので、資料提出はほんの数分で終わりました。
3 関係先に連絡をする
法務局に連絡をいれたら関係先に連絡をいれないといけません。
(1)法人の銀行口座を登録している金融機関
金融機関ごとに手続方法が指定されているので、直接問い合わせるといいでしょう。
(2)健保・厚生年金機関
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/20141205.html
こちらをご覧いただくとわかるように、以下の場合は届けが必要が場合があります。
- 適用事業所が、これまでの年金事務所が管轄する地域外へ住所変更する場合
- 上記1.に併せて名称を変更する場合
管轄の一覧表はこちら。
https://www.nenkin.go.jp/section/soudan/index.html
(3)契約書の締結先
だいたい契約書では「住所などが変更された場合は速やかに連絡をすること」と規定されているので、管理契約、売買契約、賃貸契約、委託契約など契約を締結している相手先には、文章で連絡をいれましょう。
(4)取引先
契約を締結していなくても、普段事業に関わっている法人・個人があれば、連絡する義務はありませんが、しておいたほうがいいでしょうね。
今後同様のことに関わる人がいれば、ご参考ください。