久しぶりに将棋ネタ(^^)
4月から新しい期に入った将棋界。8つあるタイトル戦は、現在名人戦、叡王戦と2つのタイトルで決定戦が行われており、両方のタイトル保持者である藤井聡太が、名人戦では豊島九段、叡王戦では伊藤七段を迎えています。
両方とも第一戦は藤井タイトル保持者が勝ち、タイトル戦の連勝記録を16まで伸ばしました。
普通の棋戦でも16連勝ってすごい数字です。
ちなみに2024年4月20日時点での継続している連勝は
(画像:将棋連盟ホームページから引用)
ご覧のように9連勝がトップ。
過去の記録をみても、
(画像:将棋連盟ホームページから引用)
ご覧のようにベスト10でも18連勝です。トップにいる藤井八冠の29連勝は、デビューしてからずっと負けなかったという、あの有名な記録です。
タイトル戦は、挑戦者を決める予選で勝ち抜いたその時に一番勢いと実力が備わった人と対決するのでかなりタフです。
棋戦によって五番勝負、七番勝負とあり、最大5つあるいは7つ戦うことになり、名人戦や竜王戦などのように2日間かけて戦う棋戦もあり、1局さすだけでもかなりの体力、智力を消耗すると言われています。
そんなタイトル戦で16連勝もしていたなんて、藤井八冠の化け物伝説に新たな伝説が加わったようです。
将棋にはその強さを示すレーティングという指標があります。
4月20日時点で
1位 藤井八冠 2113
2位 永瀬九段 1906
3位 伊藤七段 1902
4位 羽生九段 1848
5位 菅井八段 1831
となっています。おなじくらいのレーティングだと対局したときの期待勝率が50%となります。
ちなみに2位の永瀬九段は、5位の菅井八段と戦ったときの期待勝率は61%。でも1位の藤井八冠が相手だと23%しかありません。つまり藤井八冠が勝つ確率は77%。
2位の永瀬九段が77%の勝率が期待できるのは38位の順位まで下がらないと到達できません。
それだけ藤井八冠が抜けているとも言えます。
叡王戦に挑戦している伊藤七段は、藤井八冠と同じ年齢で昨年、竜王戦、棋王戦と2つのタイトル戦に登場した新進気鋭の棋士。
そんな伊藤七段でも藤井八冠との対戦成績は0勝11敗1持将棋と完全に”カモ”にされていました。
藤井八冠が負けるだけでニュースになる(^^)
V9時代の巨人、大相撲の北の湖、ボクシングの具志堅用高、テニスのBIG4(フェデラー、ジョコビッチ、ナダル、マレー)、体操の内村航平、レスリングの吉田沙保里、競馬のディープインパクト、女子卓球の丁寧、今ならボクシングの井上尚弥みたいなものでしょうか(^^)
これまでは藤井八冠の破竹の勢いに盛り上がっていましたが、ついに”負ける”ことで話題になる存在にまでなってしまったんですね。
藤井八冠は「負けました」と負けを認めたときはさすがにがっかりした表情をしていましたが、その後の感想戦(対局が終わった後に振り返ってそれぞれの意見交換をする場。将棋や囲碁などにみられ、それぞれの技術向上を図れるいい機会とされています)では、ニコニコしながら対局者と意見交換をしている姿をみると、ほんとうに将棋が好きなんだなぁと感じます。
さあ、これでタイトル戦が面白くなってきました。
圧倒的な強さをみるのも気持ちいいですが、勝敗がわからないドキドキ感も楽しいもの。
これからのタイトル戦はそんな対局が増えてくれるといいなぁ、と一将棋ファンとして思います。
(画像:日本将棋連盟が提供した写真を掲載した日刊スポーツのホームページより引用。右が藤井八冠、左が挑戦者の伊藤七段)