今回読んだ本はこちら。
先日観た映画の原作です。
映画がなかなかよかったので原作ではどんなふうに描かれているのか興味がわき、Amazonでポチッとしました(^^)
作者のサイモン・ウィンチェスターは、イギリスのジャーナリストで、ガーディアンの下で働いた時期に血の日曜日事件やウォーターゲート事件などの事件を取材した経歴があり、本書(1998年)と、世界初の地質図を作成しながら晩年まで報われぬウィリアム・スミスの波乱の生涯に焦点を当てた『世界を変えた地図』(2001年)は「ニューヨーク・タイムズのベストセラーリスト」入り書籍となっているそうです。
(Wikipediaより)
本書は翻訳のおかげもあると思いますが、とても読みやすく推理小説のようなワクワク感を感じながら読むことができました。
映画では”博士”側のマレー博士と”狂人”側のマイナー博士が出会って辞書編纂にお互いが必要な存在として認め合うまでの経緯、編纂期間、そして編纂が終わった後の2人の行方と、2人にフォーカスした内容でまとめられていました。
原作は実はもっと広い範囲を描写していて、彼らの辞書編纂がなぜ意義のあることなのかを知るために、辞書を引くという概念がない時代まで遡って歴史を紹介してくれています。
本書は「博士と狂人」と映画と同じタイトルですが、「世界最高の辞書OEDの誕生秘話」という副題がついています。
つまり、メインはマレー博士とマイナー博士の2人ではありますが、軸はどうやってOED(Oxford English Dictionary:オクスフォード英語辞典)が出来上がってきたのかという点にあるので、この歴史はとても興味深かったです。
なんせあのシェークスピアの時代でさえ「辞書を引く」という概念がなかった、というのですから(^^)
映画ではマイナー博士が虐待めいた治療のために衰弱していったためそれを救うべくマレー博士が動くのですが、原作の本書とは違う流れであることがわかりました。
まあ、映画はエンタテイメントであるので原作に忠実というよりは原作を元に脚色が入ることは珍しくありません。
本作品でもいくつかありました。
映画は映画でいいまとまりだったのでこれはこれでよかったかと。
原作の本書は、マレー博士、マイナー博士いずれも亡くなった後のところまで記載されています。
サイモン・ウィンチェスター氏の著作はとても興味深いですね。
Amazonで他の著作を探したのですが、新書はなくほぼ中古品でしかもプレミアがついている状態でした。
学生の頃だったら神保町の古本屋に探しに行くんですが^^;;