(画像:映画.comより引用 (C)2015 Cosmo Films Limited. All Rights Reserved)
「はじまりのうた」「onceダブリンの街角で」に続いてジョン・カーニー作品です。
ジョン・カーニーの製作順からすると「onceダブリンの街角で」が2007年、「はじまりのうた」が2013年、そして今回の「シング・ストリート 未来へのうた」が2016年の順になります。
「onceダブリンの街角で」では、プロではないけどセミプロの音楽家が主人公。
「はじまりのうた」ではプロのミュージシャン。
いずれも大人の物語でした。
そして「シング・ストリート 未来へのうた」では、高校生です。
家庭の事情で柄の良くない公立高校に転向したコナーは、敬愛する兄の影響でミュージックビデオを通じて音楽をやることをとてもかっこいいと思うようになっていきます。
新しい学校では、ガキ大将のような生徒や規律にうるさい校長からのいじめをうけますが、仲間と一緒にバンドを始めることで自分の生きがいを見つけます。
バンド名は学校の名前から「シング・ストリート」と名付けられます。
そこに学校の目の前にいつもいるモデル、ラフィーナに一目惚れしたコナーは思いって声をかけミュージックビデオに出演してもらうことを了承してもらいます。
曲作り、ミュージックビデオ作りに没頭するコナーは段々とたくましくなっていきますが、ラフィーナへの想いがなかなか届かない(^^)
そんな甘酸っぱい青春を、エネルギーたっぷりの音楽とともに描いているのが本作品です。
ジョン・カーニーの音楽への愛情が本作品でも十二分に表現されています。
音楽は突然降って湧いてくるものではなく、人それぞれの生活の中から絞り出されてくるようなもので、人生と深いかかわりがあるんだ、ということを語っている気がしました。
それだけ音楽というものは、人の人生にとって不可欠なものであり、かつ人と人とを結ぶことに大きく関わることができるツールでもあるんだ、と。
この視点は過去の2作品でも同様に見えるし、高校生というとても多感な世代が純粋な状態でいられるすごい環境でもあるんだ、ということを語っている気もします。
私はいつもFacebookで「昨日のブログ」と題して毎朝前夜に投稿したブログのURLのみを投稿しています。
URLだけを記載しているのは、観たいと思ってくれるひとだけがアクセスしてくれると思うからです。
するといつもありがたいことにFacebookでつながっている人たちからコメントもいただきます。
1週間前に「onceダブリンの街角で」のブログを上げたところ、友人から「次は『シング・ストリート』だね」とコメントをいれてくれて、それでこの映画の存在を知りました。
AmazonPrimeで有料でしたが、早速レンタルして視聴。
いや〜、よかったわ〜(^^)
音楽がメインの映画といえば、日本では「稲村ジェーン」を思い出します。
サザンオールスターズの桑田佳祐がメガホンをとって1990年に公開した映画です。
これは映画のストーリーへの評価は低かったものの、挿入された音楽への評価がめちゃ高かったという異色の映画でした。
「真夏の果実」はこの映画で生まれましたもんね(^^)私も大好きです。
公開年代を考えると桑田佳祐のほうがジョン・カーニーより圧倒的に早いので、もしかしたらジョン・カーニーがどこかで桑田佳祐の映画を観て触発されたのでは、と妄想しちゃいたくなります。
(そんな証拠はどこにもないので、これはあくまでも”妄想”です)
それくらい、ジョン・カーニーの映画は挿入されている音楽がどれも素敵です。
今回の映画も、高校生が作る歌ということもあり、不器用なくらいまっすぐな歌詞がとても印象的ですし、新鮮に感じました。
高校生が作って歌うからこそ、これらの歌は生きる気がします。
余談ですが、コナーの憧れるモデル、ラフィーナを演じたルーシー・ボーイントンですが、この映画の2年後に「ボヘミアン・ラプソディ」で主人公フレディー・マーキュリーの元恋人メアリーを演じています。
これも余談ですが、映画で撮影された実際のシング・ストリート・クリスチャン・ブラザーズ・スクールが含まれていましたが、この学校はカーニー監督の母校だとWikipediaに紹介されていました(^^)
心温まる映画です(^^)