前回は私が寝坊し不参加だったので、読書会は約1ヶ月ぶり。
今回の課題図書は1995年ビジョナリー・カンパニーの出版をきっかけに大人気となった本シリーズの最新版「弾み車の法則」でした。
結論からいうと、かなり残念な本でした。
これまでビジョナリー・カンパニーシリーズの良さは、(当時の段階まで)成功していた企業が、なぜ成功したのかという要因を分析し実例を含めて解説してくれたところが魅力でした。
日本のテレビ番組でいえば「カンブリア宮殿」のようなものです。
立ち上げから成功に至るまで、成功要因だけでなく、壁にぶち当たった時の頑張りにも触れられていて、リアル感満載だったのですが、今回の本は正直薄っぺらい。。。
「弾み車」という表現をつかっていますが、いわゆるポジティブスパイラルのことで、これ自体は特に目新しいものではありません。
しかもアマゾン、インテル始め、例に上がっている法人・学校についてこの話をするのは、後付でいくらでもできる話で、単なるトレースと抽象化にしかすぎない印象。
そして随所に「ビジョナリー・カンパニー2にそのことは記載している」、という具合に過去の書籍へ誘導しているだけで、本書では深堀りがないんですね。
本書はポジティブスパイラル(あえてこの表現を使うのは、この概念自体は古くから存在しており、多くの人が認識できているであろうという仮説に基づいています)を何度も繰り返すことに意味がある、と言っています。
帯では「10億回回し続ける会社だ」という表現があります。
3年で約1,000日ですから、1日1回サイクルを回したとして、3百万年かかることを言っています。
こんな誇張表現をしている事自体ががっかりです。
ページ数にして90ページ、しかも1ページには半分ほどしか文章はありません。
それでハードカバーで1,200円。
これまで出版したビジョナリー・カンパニーシリーズへ誘導する広告として無料で配られるのならまだしも、1,200円もかけて買うに値する本ではないです。
いつもは読書会の課題図書は、書籍で購入しMBAシェアハウスの書棚に寄贈するのですが、今回はめるかりに出品することにしました。
(めるかりに出したら即売れました。さすがジム・コリンズ、売れる作家です)
大抵はどんな本でも何か得るものがあったのですが、今回は残念ながらなし。
それでも何かないかと思って再読するのですが、ジム・コリンズという期待感が大きいだけにがっかり感も大きい。。。
たまにはこういうこともあります。。。