今回の読書会の課題図書はこちら。
ひとりの妄想で未来は変わる VISION DRIVEN INNOVATION
佐宗氏著作の本は読書会では2回目ですね。
昨年9月に課題図書になっていました。
そっか、この本に感化されて部屋に模造紙貼り付けたのはこの頃か・・・
これ昨年9月。
これ現在。
だいぶ様子がかわりましたな(^^)
さてさて、本書。
大きな目標をかかげてチーム上げて邁進し、無駄を除き効率を最大化して利益をあげるトップダウンスタイルの組織が王道だった企業。
しかし先行きの不透明感がます現代では、多様性の中から持続的に知識創造を行う ボトムアップスタイルの組織スタイルが必要ではないか、という提案。
実際著者はイノベーションを進めるコンサルタントの会社を起こして活躍中。
昨年9月に取り上げた「直感と論理をつなぐ思考法」では、「妄想」から”自分ごと”として自らの行動を促す考え方について解説していました。
いわゆるVision Drivenの入門編、といったところでしょうか。
一方本書は、それを企業に属していながらイノベーションを起こしていく手順をスタートから事業として大きく展開するまで紹介している、いわゆる”指南書”のような位置づけかもしれません。
実際に著者がかかわったクライアントに直接インタビューしてその時のエッセンスをいくつも紹介してくれており、机上の話ではないという印象を強く与えてくれます。
流れは以下の通り。
「妄想」
→ [0 -> 1]ビジョン作り
「構想」
→ [1 -> 10]コンセプト作り
「企画」
→ [10 -> 100]ビジネスモデル作り
「実装」
→ [100 -> ∞]経営モデル作り
「経営」
この「妄想」から「経営」に至るまでの”智慧(ちえ)”と”障壁”とその克服法について指南しています。
「創造のエッセンス」「革新のツボ」という視点にわけ、「創造のエッセンス」では「人」「場」「意思」「創造」というエッセンスに分解し、「革新のツボ」では「組織」としてどう作り上げていくかという視点で、コンサルのように”智慧”が紹介されています。
私が本書で気になってチェックしたところの主だったものをリストすると以下のような感じでした。
「一見無駄だと思える多くの創造物は全滅のリスクを回避するためでもある」
「イノベーションプロジェクトが筋がいいかどうかの判断軸の一つが”自分ごと化”度合いである」
「創造的な空気作りの最初のステップは、個人の主観による即興性を受け入れる空気作りである」
「売上や利益といった単一指標が評価軸だった従来のビジネスにおいて主観的な”意義”が必要とされている」
「不確実な環境の中では一点張りするのではなく複数のポートフォリオをもってその都度対処してくのが合理的」
「差異化のポイントがプロダクトの”機能的価値”から、”感性価値”やプロダクトの持つ”思想”へと変わってきている」
「名前を与えて性格付けをしたことで意味のある場所になっている」
「今の日本の企業に必要なのは、新しいものを既存の組織で活かしたり、組織自体をそのイノベーションに”接木”する智慧ではないか」
本書は多くが「企業の中でどう”生み出し””育んでいくか”」という内容が中心なので、1人企業の私としては、自分の状況に照らし合わせるのがちょっと難しい(^^)
それでも上述のポイントは、今の私の事業の進め方に影響を与える内容と感じています。
サラリーマン時代は、まさに売上と利益が指標となっていて、それが事業でした。
でも今は”意義”が最初にきています。
「どうしたらいいんだろう」から「どうしたいんだ」と、自分への問いかけが大きく変わりました。
これは以前相談役をしてくれていたTくんからの指南の影響が大きいです。
「どんなハウスを作りたいか、自分でそのハウスに住みたいと思うか、そういう観点でコンセプトを作りましょうよ」Tくんは、いつも私に問いかけていました。
それに”モノの機能的価値”ではなく”コトの感性的価値”に人は動かされるわけで、だからストーリーが大事なんだ、ということも繰り返し言っていました。
まさにTくんはこのVision Drivenの感覚を持っているんですね(^^)
今自分に足りていないことはたくさんあるのですが、妄想と体験は特にまだまだ足りていないなぁ、と感じさせられました。
そういえば最近ジャーナリングいてないな。。。
モレスキンのノートを開けてみると、「直感と論理をつなぐ思考法」を読んだ直後はやっていたけど、見事に三日坊主だったことがバレている。。。
今は外出自粛で実際の活動も減って自宅での作業が増えています。
だからこそ、こういうときに妄想したり、インプットしたりする時間も持てるわけで(^^)
昨年9月以降なんだかんだと忙しい(と自分が勝手に思っている)日々が多かった気もする。
だから今は自分がジャンプするための準備に時間を使えるわけで、ある意味にチャンスでもあるんですよね。