それは突然の通達だった・・・
全く予想もしていなかった・・・
毎回朝のルーチンで一緒だったのに・・・
来週からいなくなるなんて・・・
これから君がいない朝をどう過ごしたらいいんだ・・・
う〜ん、想像できない・・・
オレンジ色の姿だった君は大きなプールにダイブした後、数分後には真夏に焼けた肌のような輝く茶色になってあがってきていたよね。
「いい塩梅だったよ」
そういつも語りかけられている気がしてたよ・・・
滴る液体がきれると、サクサクという心地いい音とともに分身され、四角い指定席に鎮座していた・・・
そして透明のカバーをかぶってステージに立つ・・・
他の仲間達とくらべても遜色のない存在感があった・・・
どうどうとして、「俺ってビッグだぜ」という自信に満ち溢れた声がいつも聞こえてきた気がする・・・
草原でいえばライオン、ジャングルの中でいえばジャガー、君のステージではまさにそんな存在だった・・・
君との最後の日、僕は朝だけでなく、昼も君と一緒にいたよ。
そしてお昼のランチは君にしたんだ。
ジャンボチキン。
揚げたての君は最高にうまかった。
来週からメニューにないとは思えないくらい見事な引退だったよ・・・
君は人気者だったから、きっと新しくなって再び会える日がくると信じている。
それまで、しばらくのお別れだ・・・
アルバイト先のお弁当屋さんにて。